« 祝賀資本主義のグロテスクな象徴 ③ | トップページ | 祝賀資本主義のグロテスクな象徴 ⑤ »

2021年8月 2日 (月)

祝賀資本主義のグロテスクな象徴 ④

続き:

◉ さまざまな権威を纏う

 2013年に招致が決定すると、IOCの権威を国内でも通用させるべく、日本の組織委員会は官民指導層の取り組みを行ない、あらゆる権威を纏うことに腐心してきた。

 政府によるバックアップは当然として、国会でも 2013/10/15、政府に競技場の整備などの総合的対策を求める決議が行なわれた。このとき衆議院は全会一致、参議院で反対したのは当時無所属であった山本太郎氏だけだった。当時、野党もこぞってこの決議に賛成してしまったことが、現在のコロナ禍でも国会で、五輪中止の議論が盛り上がらない遠因となっている。

 そして、組織委員内にはアスリート、産官学、文化芸術などの有名人、企業経営者などを集めた専門委員会がある。その名称と委員長の名前を挙げてみよう。

・アスリート委員会 高橋尚子氏(陸上競技)

・街づくり・持続可能性委員会 小宮山宏氏(三菱総合研究所理事長、元東京大学総長)

・文化・教育委員会 青柳正規氏(東京大学名誉教授、多摩美術大学理事長、奈良県立橿原考古学研究所所長)

・経済・テクノロジー委員会 大田弘子氏(政策研究大学院大学特別教授)

・メディア委員会 日枝久氏(フジ・メディア・ホールディングス取締役相談役、フジテレビジョン取締役相談役)

・テクノロジー諮問委員会 國領二郎氏(慶応義塾大学教授・常任理事)

・ブランドアドバイザリーグループ(委員長なし)

・共同実施事業管理委員会 多羅尾光睦氏(東京都副知事)

 いずれも「五輪の権威」を高めるために、各界の第一人者を集めている。あらゆる分野の業界から協力を募るためであり、極めて用意周到だと言えるだろう。

 中でもメディア委員会を設置する意味は非常に大きい。メディアを取り込むのは、開催を喜ぶ世論の醸成装置としての役割は当然だが、逆に五輪にとってマイナスになる情報が出た場合の危機管理装置としての役割もある。

 

 

« 祝賀資本主義のグロテスクな象徴 ③ | トップページ | 祝賀資本主義のグロテスクな象徴 ⑤ »

日記・コラム・つぶやき」カテゴリの記事