« Report 2021 ゲノム解析 ③ | トップページ | 人間と科学 第326回 植物と薬と人間 (4) ② »

2021年8月31日 (火)

人間と科学 第326回 植物と薬と人間 (4) ①

斉藤 和季(理化学研究所環境資源科学研究センター長)さんの小論である。コピーペー:

 私(斉藤)は十年位前には非常に海外出張が多く、その時期に保存していた有効期間が10年のパスポートは、ついに出入国管理のために各国のスタンプを押すスペースがなくなり、旅券事務所でパスポートに増ページの手続きをしてもらった。それらの海外出張のほとんどは1週間ほどで、国際会議への参加やそれと前後しての研究機関への研究訪問であった。

 すると、海外の初めての都市に一人で滞在することになる。もちろん、地元のグルメ料理も楽しみたいと思うが、なにかと不案内だし、地元のレストランは敷居が高いので、世界のどの都市にもある有名なハンバーガーのファストフード店に入って旅の空腹を満たすことも多かった。また、海外に限らず国内でも手短に昼飯をすませようと思えば、このファストフード店は便利なところである。

 実はこの手のファストフード店は不思議に心が安らぐのである。なぜかと考えてみると、外国のトラムの停車場近くや国内の大型ショッピングモールの中などに漂う空気の温かさ、家族連れや小さな子どもに囲まれて、緩やかな人の往来を眺めながらの食事は安心感が大きいように思う。それに加えて、本来人が持っている欲求である糖質脂質の摂取が、容易に満たされる満足感に依るところが大きいのであろう。

 この、ヒトが持っている糖質や脂質への欲求は、命の本質的な属性であるエネルギー生産の原料となる還元レベルの高い炭素化合物への欲求である。糖質や脂質はその分子中にエネルギーを内包した炭素化合物で、この分子中の炭素原子を二酸化炭素にまでに徹底的に参加することによりエネルギーを取り出しているのである。

« Report 2021 ゲノム解析 ③ | トップページ | 人間と科学 第326回 植物と薬と人間 (4) ② »

日記・コラム・つぶやき」カテゴリの記事