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2021年9月30日 (木)

巨大IT企業の暴走を止める! ②

続き:

■「歴史的な合意」となったデジタル課税

 2021/07/01、OECDは、新たな国際課税ルールに関する交渉会合にて、巨大IT企業の税逃れを防ぐためのデジタル課税の導入と、法人税の最低税率を15%以上とする案を提案、130ヵ国で大枠合意に達した。デジタル課税の対象は、売上高が200億ユーロ(約2.6兆円)を超え、利益が売上高の10%を超える企業である。2022年中に条約締結や各国での手続きを進め、2023年の導入を目指す。今回のデジタル課税が実現すれば、事業拠点がなくても国内にサービス利用者がいれば課税対象となる。

 勿論、今回のデジタル課税は完ぺきなものではない。例えば、現時点の基準では課税対象企業は世界で78社程度のみだ。導入から7年後には、対象企業の売上高水準を半分の100億ユーロ(1.3兆円)に引き下げることで税収増を目指す方針であるが、実現は簡単なことではない。

 デジタル課税を含むグローバルな課税については、多くのNGOなども強く求めてきた。その核となるのが2003年に英国で始まった「公正な税制を求めるネットワーク(タックス・ジャスティス・ネットワーク:TJN )」も設立され、アジア、アフリカ、中南米など途上国側の市民も参加する。途上国にとっては、貧困削減や開発の財源として、巨大IT企業へ課税する権利は死活的な問題だ。

 TJNは今回のOECD合意について、「グローバルな最低限の課税は獲得できたが、税制の包括的改革への取り組みには疑問が残る」と指摘する。今回のデジタル課税合意が形骸化しないよう、監視・提言を続けることが重要だ。

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