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2021年9月15日 (水)

Science 口腔粘膜上皮性異形成病変に対する蛍光診断の有用性 ⑥

続き:

4. 上皮性異形成病変検出のための 5-ALA を用いた蛍光診断の有用性

 これまで述べてきたように、臨床所見等からは口腔癌と判断困難な48例のうち、33例が赤色蛍光を示し、その内訳は扁平上皮癌20例、上皮内癌3例、上皮性異形成10例(高度異形成4例、中等度異形成4例、軽度異形成2例)であった。

 一方、赤色蛍光を示さなかった症例は15例あり、その内9例が軽度異形成、6例がその他の病変であった。これらの結果を総合すると、当科において実施している方法による 5-ALA を用いた蛍光診断は、初期口腔癌の診断に関しては感度100%、特異度57.1%である。

 しかしながら、実際の臨床現場において予後を重視する治療的観点から、最近提唱されている上皮性異形成を低異型度群(軽度異形成および一部の中等度異形成)と高異型度群(一部の中等度異形成および高度異形成)の2群に分類する方法 (Binary system) によると、この蛍光診断法は感度100%、特異度71.4%~88.2%であり、より臨床現場での対応の判断に有用な診断法ということができる。今後はさらに症例数を増やし、この診断法の上皮内癌、初期浸潤癌および上皮性異形成病変(特に高異型度病変)に対する診断の信頼性を高めるとともに、歯科医院や健康診断におけるこの診断法の普及に努めていきたい。

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