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2021年9月11日 (土)

Science 口腔粘膜上皮性異形成病変に対する蛍光診断の有用性 ②

続く:

1. わが国の口腔癌の現状

 口腔癌のみを対象とした正確な全国調査は実施されていないが、厚労省の人口動態統計等によると、口腔・咽頭癌による死亡者数は人口10万人あたり、1975年には男性2.4人、女性1.3人、1995年には男性5.1人、女性2.9人であったが、2017年には男性8.8人、女性3.3人となり増加の一途をたどっている。

 また口腔癌はすべての癌の中の 2~3%、全頭頸部癌の約40%を占めている。好発年齢は60歳代であるが、近年、若年者における罹患率に上昇傾向がみられるようになってきた。性差では3:2 と男性に多い。

 口腔は「食べる」、「味わう」、「話す」、「表情を作る」など、人が人間として尊厳ある文化的生活を送る上で極めて重要な臓器であることから、その形態と機能を温存する意味からも、口腔癌の早期発見は重要である。しかしながら、口腔に発生する上皮内癌や初期浸潤癌、さらには悪性化しやすいと考えられる高異型度の上皮性異形成病変などは、平坦病変として存在するため肉眼的に正確に認知することは困難なことも多く、これらを的確に診断する技術の確立が強く望めれている。

 このことから我々は、5ーアミノレブリン酸 ( 5-aminolevulinic acid : 5-ALA ) を用いた蛍光診断法が、肉眼的には認識困難な上皮内癌や初期浸潤癌の検出・診断に有用であることを報告してきた。これらの臨床研究過程で、5-ALA を用いた蛍光診断法が上皮内癌や初期浸潤癌に加え、切除が最適と考えられる高異型度の上皮性異形成病変の検出・診断においても極めて有用である可能性を見いだしたので、その概要について紹介する。

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