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2021年9月19日 (日)

パンデミックと大学 ④

続き:

  「ポストコロナ時代の大学のあり方」

 日本私立大学連盟の政策研究部門会議は現在、「ポストコロナ時代の大学のあり方」という提言を準備している。その会議にゲストとして来ていただいた慶應義塾大学の中室牧子教授によると、米国は2006年にすでに、「通信による授業は卒業単位の50%以内」という規則を撤廃し、各大学で効果検証を続けている。その結果、対面のみ、オンライン授業のみに比べた場合、ハイブリッドが最も効果が大きいことがわかった。

 しかしオンラインは、元来、成績が低い学生たちには悪影響を与えた。そこでそのような学生に対し、「目標設定」をする科目を設け、自ら目標設定をさせたところ良い結果につながったという。

 大変よく分かる話だ。能動的になった時に能力を発揮できる学生は、本来能力のある学生なのだ。しかし今の大学はその能動性を引き出すのが困難だ。それぞれの異なる能力を開花させるのが教員の仕事である。それができる機会が目の前にあるのであれば、ハイブリッドとTAを活かした個人指導を始めるべきであろう。

 学生に合わせた個別指導が通常の方法になれば、生涯の何時であっても地球の何処にいても、何度でも学ぶ、いわゆる「リカレント(循環)教育」の進展も可能となる。履修証明プログラムや、複数の学位を取るダブルディグリーはすでに始まっている。遠隔で修士論文の完成を許可する大学もすでにある。MOOC(大規模オンライン講座)も世界中の多くの大学教員が実施してきた。ミネルバ大学の試みも知られ、もっと身近なところでは、通信制の大学や放送大学でも普及している。

 これらは、それぞれ規模や方法が異なる。例えばMOOCには世界に多くの受講者がいるが、同時に小規模の対話の仕組みを別にもっている。このような従来の試みを土台に、国内的、国際的な大学間連携によって、学ぶことを日常化できる。特に通信教育部をもつ大学は、通信制の大学との合体を視野に入れるべきだろう。

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