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2021年9月 5日 (日)

ESG投資が変える社会 ③

続き:

ESG投資からからサステナブル金融へ

 ESG投資の方法は株式投資を中心に発達したが、近年は株式だけでなく、債権や不動産への投資でも環境や社会の要素を組み込む動きがある。代表的な例がグリーン事業に限定することを約束して発行する債券で、2014年に国際資本市場協会(ICMA)がグリーンボンド原則を発表、日本の環境省も2017年にグリーンボンドガイドラインを公表したことで、市場が拡大した。

 間接金融の分野でも2018年にローン・マーケット・アソシエーション(LMA)などがグリーンローン原則を公表し、2019年にはサステナビリティ・リンク・ローン原則を公表した。これを受けて環境省も2020年に「グリーンローン及びサステナビリティ・リンク・ローンガイドライン」を策定した。

 グリーンローンとは調達資金の使途をグリーン事業に限定した融資、グリーンボンドの融資版だ。一方、サステナビリティ・リンク・ローンとは借り手がサステナビリティに関する野心的な目標(SPT)を設定することを条件とする融資で資金使途は限定なし。

 間接金融に関しては地域金融の役割にも注目が集まっている。環境省は金融・投資分野のトップが一堂に会してESG金融について議論する場としてESG金融ハイレベルパネルを設置しているが、2020年にはその下に「ESG地域金融タスクフォース」を設けて検討を行なってきた。2021年の報告書では、特に脱炭素社会に向けて産業構造が大きく転換する中、地域が取り残されないように地域金融が地域の自治体や産業界と連携して対応することを求めている。

 さらに、単にESGを考慮するだけでなく、実際に環境や社会にどのようなインパクトを与えたのかを重視するインパクト投資への関心も高い。グローバル・インパクト投資ネットワーク(GIIN)はインパクト投資を「財務的リターンとともに測定可能でポジティブな環境的・社会的インパクトを生み出すことを意図する投資」と定義している。

 国連環境計画金融イニシアティブ(UNEP FI)は2017年にインパクト金融原則を、2019年には責任銀行原則(PRB)を公表し、間接金融におけるインパクト金融の実践を呼びかけている。

 このように従来のESG投資の枠組みを超えた動きがある。それはより総合的な、持続可能な社会のための金融、即ちサステナブル金融だ。時代はESG投資からサステナブル金融へと動き始めたのである。

 

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