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2021年10月22日 (金)

世に放たれたゲノム編集野菜 ⑤

続き:

■マーカー遺伝子の存在

 マーカー遺伝子は、ゲノム編集のハサミ(Cas9)の大量合成と、標的遺伝子がゲノム編集できたかどうかの確認に必須の「目印遺伝子」である。多くの場合、細菌由来の抗生物質耐性遺伝子が使われる。高GABAトマトの作出では、抗生物質カナマイシン耐性遺伝子が使われている。現在開発中のすべてのゲノム編集作物で抗生物質耐性遺伝子が使われている。

 これらマーカー遺伝子は当然「外来遺伝子」で、ノックアウト・ゲノム編集では存在してはならない。そのため、ゲノム編集野菜の作出ではマーカー遺伝子を含む最初の変異株(Fゼロ)をそのまま商品化することはできない。Fゼロ株をゲノム編集前の親株と交配させる、いわゆる戻し交配を繰り返してマーカー遺伝子やCas9遺伝子、ガイドRNA遺伝子を削除しなければならない。

 抗生物質耐性遺伝子はなぜ問題か。これを含む食品を食べると、腸内細菌がこの遺伝子を取り込み、抗生物質耐性菌になることが分かっている。現在、アメリカから輸入されている遺伝子組換えトウモロコシには必ずこの遺伝子が含まれている。その結果、これを餌にしている家畜のほとんどには耐性菌が存在することとなっており、加工の際に肉が耐性菌で汚染される。厚労省も食肉の調理に注意を呼びかけている。抗生物質耐性菌が感染症対策に有害なことは自明である。

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