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2021年10月18日 (月)

世に放たれたゲノム編集野菜 ①

河田昌東(分子生物学者)さんは「世界 10」にて小論を載せる。コピーペー:

 今年5月、血圧降下作用のあるGABA(ガンマーアミノ酪酸)多く含む高GABAトマトが市場に出た。このトマトは、ゲノム編集という新たな技術で作られた。開発したのは筑波大学の江面浩教授、販売は同教授が取締役を務めるベンチャー企業サナテックシード社である。同社はインターネットで募集した全国5000人の応募者にこのトマトの苗を1人当たり4本、4000人に無償で配布し、すでに全国各地で栽培されている。

 このトマトは日本で最初に、世界でも二番目に商品化されたゲノム編集作物である。現在、国内では多収穫米やアレルゲンのない大豆、毒素のない発芽ジャガイモ、肉厚な真鯛など、ゲノム編集による様々な動植物が商品化を目指して開発中であり、今後続々と市場に登場する予定となっている。しかし、このゲノム編集というテクニックにはまだ多くの未解決の問題があり、このまま商品化による流通が普及していくと、安全性や生態系の面で将来、取り返しのつかない被害が生ずるおそれがある。

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