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2021年11月28日 (日)

内の目外の目 第226回 超高齢化先進地域から超高齢者の歯科医療を考える ②

続き:

◎超高齢化先進地域の歯科医療

 診療所では来院患者の半数が75歳以上の後期高齢者で、来院患者の約15%が認知症である。1日の症例の6割が有床義歯とメンテナンスで、残り4割が根管治療、抜歯、う蝕治療などである。高齢者の治療では、術前にバイタルサインを確認することを徹底し、なるべく通院回数の少ない治療方針と治療法を選択する。そのために接着材料を活用したり、義歯リラインや増歯・増床などは直接法で即日処置している。メインテナンスは!~3か月毎に、主に歯周検査、専門的口腔清掃(歯面、義歯、舌)および義歯調整を行っている。

 この3年間で口腔外科系疾患として、頬部蜂窩織炎、BRONJの疑い、重度なインプラント周囲炎、術後性上顎嚢胞、切歯管嚢胞、下顎骨炎、舌がん、帯状疱疹、顔面神経麻痺を経験し、連携医療機関へ紹介した。現在のところ歯科訪問診療の実績はない。在宅での寝たきり療養になると、ほとんどの患者は村外の子供家族に引き取られている。また、Home-bound患者では村営の診療所送迎バス、デイサービスの時間外受診、特養が提供する無料外出支援サービスなどにより通院できている。

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