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2021年11月23日 (火)

Clinical 次亜塩素酸のトリセツ ⑥

続き:

3. 次亜塩素酸水のパフォーマンスを最大限に発揮させるために

1) 次亜塩素酸水の生成方法

 人の命を救う医療現場では、スペックを確実に担保できるオンサイト(その場)でオンデマンド(用時)生成するのが安全・安心かつ経済的である。生成方法は、生成器の有無で大きく分類され、さらに細分化される。

(1) 生成器を使用する方法(電源必須)

①電解(電気分解)型

 電解型は、水道水に食塩(または塩酸:これはあまり使用されていない)を電解助剤として加えた溶液を電気分解するののである。タンク(貯水、バッチ)型と水道直結(連続流水)型があり、アノード(正極)側に強酸水として次亜塩素酸が生成。pHは2~3程度、塩素濃度は20~80ppm程度。アノード槽とカソード槽の間にはイオン交換膜(槽数は膜数による)を、通電には白金または酸化イリジウムを被膜したチタン電極を使用する。電解型は温度や光に対して劣化しやすく、保管適さない。強酸性のためか、塩素濃度が低い割には金属に錆が出やすい。医療現場では生成器を設置して強酸性電解水をオンデマンド生成して使用する。高濃度への対応は難しいが、低pHによる塩素ガス発生は低濃度のために少なくて済む。

 イオン交換膜なしで単純に食塩水を電気分解する電解次亜水 (>pH7.5)は簡便で高濃度に対応できるが、酸性水とアルカリ水を分離できず、殺菌能が低く医療現場には向かない。pHを基準内 (5.8~8.6) に合わせたものの中には水道水の水質基準をクリアしたものもる。用時生成した殺菌能のある水で大量に洗い流すという意味で、食品工場で使用される。

②非電解型

a) 混和型

(ⅰ)2液混合型

  次亜塩素酸ナトリウム溶液に酸性物質(塩酸、酢酸、クエン酸など)を混合し、pH を微酸性から中性に調整したものである。高濃度に調整したものである。高濃度 (>数百 ppm) に対応できるが、酸性物質の混合による過剰な pH の低下は塩素ガスを発生させ死亡事故につながる(=「混ぜるな危険」)。管理者のいる工場での生成が基本であり、患者のいる医療機関でのオンサイト生成には適さない。温度や光に対する劣化は比較的軽度な部類である。金属に錆は出やすい。混合する酸性物質により劣化が異なるので注意が必要である。容器詰めでの供給となる。

 ( ⅱ)炭酸 (CO2) 混合型

  生成器を水道に直結し、次亜塩素酸ナトリウム溶液を希釈しながら、ボンベから供給されるCO2 で pH 調整するものである。高濃度にも対応でき、供給速度も速い(>数L/分)が、ボンベ圧のチェックと調整・交換は必要。水圧や水質によっては使用できない。また、基本的に要電源であるが、現在開発中のものには中規模の飲食関係や小~中規模の食品工場向けの、水道の水圧を利用した電源不要タイプの生成器がある。気体でのpH調整のため、過剰な pHの低下は起こらないが、生成された次亜塩素酸水は、温度や光に対して比較的劣化しやすく運搬にも保管にも不適。生成器使用タイプの中では、錆はやや少ないほうである。現場に設置した生成器で生成した次亜塩素酸水のうち、食品の殺菌料として認められているのは、電解型と炭酸混合型及び2液混合型(管理者が必要)である。中でも炭酸混合型は高濃度への対応が可能で、医療現場に必要な安全性も備えている。

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