Clinical 次亜塩素酸のトリセツ ②
続き:
1. 報道されない国内外の現状と問題 ~なぜ次亜塩素酸なのか?~
COVID-19の流行による海外往来制限やウィルス干渉のほか、感染対策としての手洗い、うがい、マスク装着などを励行した結果、2020~21年にかけてインフルエンザなどの感染症が驚異的に減少した。一方、学校や店舗、家庭などでの手指のアルコール消毒の励行が新たな問題を引き起こしている。
アルコールは、殺菌力は高い(細胞膜に穴をあけて不活性化)が、揮発性や引火性があり、6~7%程度の人が接触アレルギーを持つ。手指への健康被害は非アルコール系よりも悪化傾向にあり、揮発物の吸引も含め、危険性(特に12歳以下)が指摘されている。非アルコール系消毒剤は洗い流すことが基本であり、手荒れが出る上に殺菌効果も高くない。最も知られている「石けん」は、個体(pH10前後)よりも液体(pH11前後)のほうが手荒れしやすく、弱酸性のものは洗浄力の強い合成界面活性剤を使用するため皮膚を傷つけやすい。次亜塩素酸水 (HClO2 : 殺菌成分は二酸化塩素 ClO2 )についてはコスト面も含めて、次亜塩素酸水の適切な使用のほうが得策であろう。
日本発祥の次亜塩素酸水は経済的で効果が高い上に手荒れを起こしにくく、広く海外で使われている。国内では一部の報道が誤解を招き、日本の感染予防をガラパゴス化させてしまった。数々の強力な変異株が出現し世界的に長引くコロナ禍の中、次亜塩素酸水を正しく理解し適切に使用して、早急に感染予防に尽力すべきである。
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