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2021年12月 6日 (月)

Clinical 歯周病と関連する疾患 ~関節リウマチと EBV 陽性粘膜皮膚潰瘍~ ①

草間 薫(明海大学名誉教授)さんの研究文を載せる コピーペー:

はじめに

 本邦において国民病である歯周病は、様々な疾患に深く関わっていることが知られている。組織内に侵入した歯周病原細菌、炎症巣で産生された炎症性サイトカインや起炎性物質および代謝産物が長期間にわたり循環器を介して全身に運ばれることから、種々の臓器に影響を及ぼすと考えられる。心血管障害、2型糖尿病、早期低体重児出産、誤嚥性肺炎、ウィルス性疾患、認知症やがんといった多様な疾患と歯周病との関わりが指摘されている。

 歯周病がリスク因子となる疾患に、本邦の死因の上位を占める悪性新生物(がん)、心疾患、脳血管障害、肺炎などが含まれることは、歯周病の予防、治療が本邦における健康長寿にとっていかに重要であるかを物語っている。

 近年、歯周病と関節リウマチ(RA : rheumatoid arthritis) との双方向的な関連の可能性が示唆されている。RA 診断では抗 CCP 抗体(シトルリン化タンパク質に対する自己抗体)が重要な指標となっているが、歯周病原細菌がタンパク質のシトルリン化に関与することが示されている。加齢もしくは免疫抑制剤ことにメトトレキサート(MTX)を服用している患者で、口腔に EBV (Epstein-Barr Virus) 陽性粘膜皮膚潰瘍が生じることがある。粘膜抑制状態で EBV が再活性化し、さらに歯周病があると、歯周病原細菌が産生する酪酸により EBV の再活性化がさらに促進され、異型 Bリンパ球の増殖を引き起こす。休薬もしくは減薬で潰瘍は自然消退することが多いが、悪性リンパ腫との鑑別が必要である。本稿では、これらに関わるメカニズムとともに医科歯科連携の重要性について述べる。

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