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2022年2月 7日 (月)

人間と科学 第331回 医療統計学リテラシー(3) ②

続き:

リスク比とリスク差

 ~ワクチンでどれくらい新型コロナウィルス感染が防げるだろうか?~

 新型コロナウィルスのワクチンはファイザーやモデルナでは有効率は95%程度だといわれている。では、ワクチンを打った人のうち、ワクチンを打つことでコロナ感染を防げる人はどれくらいいるだろうか。100人中95人なのだろうか?

 有効率95%というのは、(1-リスク比)×100%で計算する。つまりリスク比に置き換えると0.05、ワクチンを打たない人の感染率を1とすれば、ワクチンを打てば感染率が0.05まで下げられると解釈できる。ここで新型コロナの累積の感染率を2とする。※ 2021年11月現在で累計の感染者が約170万人であることを、考えて、多めに見積もっている。

 リスク比0.05を基に考えると、ワクチンを打たない人の発症率が2%であれば、ワクチンを打った人では0.1%にまで下がる。つまり差は1.9%で、これがワクチンを打ったおかげでコロナにならなかった人の割合である。

 リスク差の逆数は52.63人で、これを治療必要数という。

 治療必要数とは、臨床研究で介入の効果を表すときによく用いられる指標で、1人を新型コロナの感染から防ぐためには、52.63人に接種する必要があると解釈する。52.63人のうち、ワクチンのおかげでコロナに感染しない人は1人しかいないということである。

 勿論、ワクチンの重要性を過小評価するつもりは全くないが、統計の正しいリテラシーとして知っておいてもらいたい。

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