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2022年3月16日 (水)

パンドラ文書を解読する (下) ②

続き:

● セーシェルカンボジアの組み合わせ 

 インド洋のタックスヘイブンであるセーシェル島(セーシェル共和国)に会社を設立し、カンボジアで不動産ビジネスを手がける日本人男性は、2021/09/06、問い合わせのメールを送ると、すぐに電話で返答。

 「税金ゼロはやはり大きいですね。セーシェル以外の国でビジネスをやっている限りにおいてはこの法人には一切課税がされない」

 記事にする際に実名を出さない条件で男性はあけすけに語った。

 カリブ海の英領バージン諸島や英領ケイマン諸島がタックスヘイブンとして有名だが、なぜ、セーシェルなのか。

 「一番の理由は、会計試料の提出義務がない、と言うことですね。バージン諸島とかもタックスが完全にゼロですが、たしか毎年の会計資料の提出義務がある。セーシェルは義務化されていないんですよ」

 男性は「タックスヘイブンとカンボジアの組み合わせが最強なんです」と付け加え、「CRS」という言葉を口にした。

 経済協力開発機構(OECD)が主導して、世界の多くの国・地域は「CRS (共通報告基準)」と呼ばれる枠組みで非居住者の銀行口座情報を交換していう。セーシェルも日本もこれに参加してうぃるが、カンボジアは参加していなぃ。

 「私、国籍は日本ですけど、日本にもカンボジアに情報がいかないですし、居住地であるカンボジアもどこの国とも情報交換を行っていないので、要は税金ゼロですべて行ける」

  男性によれば、日本で太陽光発電ビジネスなどを手がけた後、2015年にカンボジアに移り住んだ。成熟した国である日本では、何かを始めるとしても、「ものすごく頭のいい人とか、あるいは、大きな資本」と戦わなければならず、競争が厳しい。それと比較して、発展途上国であるカンボジアでは、日本のノウハウを持ち込んでビジネスを展開すれば、成長が速い分、短時間で高い利益を得られる。そういった点に目をつけてカンボジアを選んだ。

 「カンボジア国内では登記しませんので、私が個人の口座を使ったりしていれば(カンボジアの税務当局は)全くわからない。(会社の所得を)捕捉しようがないんです」

 筆者(奥山)が「脱税にならないのですか」と質問すると、男性は「脱税といえば脱税ではあると思います」と答えた。

 遠い将来、子どもにカンボジア国内の財産を相続させる際ににも、「いくら財産が蓄積されたかっていうのも捕捉されませんから、カンボジア国内で相続なり贈与なりそういったものを全て済ませてしまえば、一切日本が関与できない」と見込んでいる。

 匿名性の高さがセーシェルの魅力だという。「セーシェルは(口座情報の国際的な)情報交換には参加していても、経営者の情報であるとか、その他もろもろ情報開示については裁判所の令状が必要なので、そう簡単にはだれかがうちの会社の内情を調べるとかできない。なのでセーシェルにしといたほうが何かと便利かなと思った」

 とはいえ、現在、国際的にタックスヘイブンへの風当たりは厳しい。「いわゆるオワコンだと思いますね」と男性は漏らした。「オワコン」というのは、終ったコンテンツを略した言葉、一時は流行したものの魅力と人気を失ってしまったゲームやアニメを一般には指すが、、男性はタックスヘイブン利用を指してそう表現してみせた。

 

 

 

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