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2022年3月10日 (木)

Science 新型コロナウイルスパンデミックに対する有効な手指衛生消毒剤のエビデンス ~エタノール、次亜塩素酸水、オゾン水~ ⑥

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3. 公的標準的試験方法による臨床研究

 NITEは、消毒・除菌等の有効性の根拠が明確でないものが多いと結論づけた。つまり有効性試験を行っている場合でも、ISO、JIS、団体規格等で規定されている評価法を用いていないものがあるほか、結果の表示にあたっても、試験実施時期、用いた手法、試験機関、結果等が明示されていない場合があると報告している。

 欧米においては、生体消毒薬の有効性および安全性に関する評価方法についての公的標準試験方法が策定されており、臨床使用認可申請の基準となっている。主な評価法として欧州基準試験法(European Norm:EN) とAmerican Society for Testing and Materialr (ASTM) 試験法、 Association of Official Analytical Chemists (AOAC) 試験法が挙げられる。つまり、これらの評価法を用いて、活性評価を実施すればエビデンスの高い。

 近年、オゾン水での手洗いによる細菌お除去を、ASTM標準試験方法(ASTM E1174-13) を使用して評価されている臨床研究がある。人工的に細菌を手指に塗布して、手指消毒後に回収される菌数をオゾン水(4ppm、200ml,30秒)、抗菌石鹼と水、非抗菌石鹼と水で比較した。その結果,オゾン水は、目に見える汚れや体液の汚染がない場合、少なくとも非抗菌性の石鹼と水と同じ程度に手から細菌を除去する可能性が認められた。さらにオゾン水(4ppm、1000ml、30秒)が、抗菌石鹼や水と同様の効果で、有機物で汚染された手から細菌を取り除く可能性があることを明らかにした。

4. エタノール (EtOH)、次亜塩素酸水 (SAEW)、オゾン水 (OW) の実臨床における長所、短所

 EtOHは蒸発によって失われるが、密閉された条件であれば長期間維持できる。EtOHはOWやSAEWよりも安定しているとはいえ、皮膚刺激性があることやアルコール不耐症の人は使用できない点がデメリットとなる。また、EtOHは引火性である。その一方、 OWの皮膚刺激性はEtOHよりも低いと報告されている。。また、SAEWも安全性が高く、皮膚や粘膜への刺激性が低いとされていることから、正常な皮膚や傷ついた皮膚に対する消毒剤としての使用なども提案されている。OWやSAEW は低刺激性であることに加えて、環境への汚染リスクが少ないため消毒剤としての使用に適していると言える。

 一方、SAEWを22℃の暗所条件において密閉された容器中で保管すると21日経過後も RCC が劇的には減少しないことが示されている。しかしながら、AEW を使用する際は、AEW 中に含まれる遊離塩素が紫外線によって分解、さらにはその分解速度は高温条件下で、加速することを考える必要がある。また、SAEW は用事生成使用か冷暗所保管で数日以内に使い切ること、との報告がある。

 OWの短所の一つは、OW生成後のオゾンの半減期が短いこと。蒸留水に含まれるオゾンの半減期は20℃で20~30分、また pH 7.0 の水溶液中では25℃で2~4分である。このようにオゾンの半減期は短いため、OWは流水による手洗いや物の洗浄への使用に適していると考えられる。

従って、OWとSAEWは、特にアルコールに有害反応を示す人々に対して、EtOHの代替的な消毒剤としての使用することが可能である。

 

 

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