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2022年4月14日 (木)

Topics NDB の活用でさらに明らかとなった口腔健康管理の重要性 ②

続き:

1. 健康寿命の延伸

 2019 年の人口動態統計の主な死因別死亡数の割合も示されていて、死因の 1位は悪性新生物(27.3%)で、次いで心疾患(15.0%),  老衰(8.8%),

脳血管疾患(7.7%)、肺炎(6.9%)、誤嚥性肺炎(2.9%)、不慮の事故(2.8%)と続く。2011年以降、肺炎が脳血管疾患を上回り第 3位となったが、2017年に死因統計に関する統計上のルール変更により、第 5位となった。ルール変更とは、肺炎に含まれていた誤嚥性肺炎を別に示すことことになった。

 肺炎と誤嚥性肺炎を加えると 9.8%となり、これは死因の第 3位である。

 2019年の国民生活基礎調査における「介護が必要になった主な原因の構成割合」が示されている。

 次の分類によると、第 1位 は認知症(17.6%) で、次いで脳血管疾患(16.1%)による衰弱(12.8%)、骨折・転倒 (12.5%)と。介護が必要となった原因の第 1は認知症で、死因第 1位の悪性新生物とは異なり、寿命と健康寿命に影響する疾患が異なっている。

 健康日本21(第2 次)では、「健康寿命延伸・健康格差の縮小」が大きな健康目標となっている。2021年12月に開催された第16回健康日本21(第2次)推進専門委員会に、2001年から2019年までの平均寿命と健康寿命推移が示されている。それによると、平均寿命と健康寿命はいずれも延伸しているものの、男女ともその差が縮小する傾向はみられていない。健康寿命を平均寿命に近づけるような、即ち、健康寿命を延伸するための施策が求められている。特に超高齢社会においては、増加する認知症への対応は喫緊の課題だ、歯科分野からも様々な疫学研究が蓄積されてきている。

 本稿では、医療機関を受診して保険診療を受けた情報である「レセプト情報・特定健診等情報データベース(NDB)」を活用し、歯数とアルツハイマー型認知症や誤嚥性肺炎および医科医療費との関連について筆者らが報告した知見を解説する。

 

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