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2022年4月19日 (火)

Topics NDB 活用でさらに明らかとなった口腔健康管理の重要性 ⑦

続き:

5. NDB の今後について

 2021/07/29、の社会保障医療保険部会に「今後のNDB」として議題が示された。すでに 2019 年「医療保険制度の適正かつ効率的な運営を図るための健康保険法等の一部を改正する法律」において、第三者提供制度が法定化された。この法制化によってルールが厳格化され、民間事業者等へも提供を拡大された。mた、NDB は介護 DB との連結も可能となった。

 この法改正に伴いこれまで「レセプト情報等の提供に関する有識者会議」の審議会は「匿名医療・介護情報等の提供に関する委員会」と名称変更された。これまでの「レセプト情報・特定健診等情報データベース」および DPC データさらには介護 DB を統合した第三者提供となり、その審査体制が作られた。

 同部会では、これまで提供医療機関を中心に提供されていたデータについて、患者の居住地や高額療養費自己負担限度額区分や公費負担医療(生活保護受給を含む)などを研究者に提供するかなどが議論されており、今後の提供範囲等にも注目していく必要がある。

おわりに

  本稿では、日本歯科総合研究機構が行った NDB の研究の成果として、歯数アルツハイマー型認知症、誤嚥性肺炎および医科医療費との関連を取りまとめて解説した。NDBは診療データに関するコードナンバーでありビッグデータであるものの、保険診療報酬請求に用いる診療報酬明細書に過ぎず、疾病の程度や重症度は把握できず、臨床現場における知識や経験上の感覚を可視化することにとどまっていると言える。また、歯数についても歯周炎病名からの推測であるため、すべてのレセプトの現在歯数を現状で把握することは困難であるといった課題も残る。しかしながら現在歯数は歯科医療従事者以外にも分かり易く、かつ生涯で増えることのない指標である。

 この現在歯数をすべてのライフステージにおいて医療関係者が把握し、医科歯科連携や患者の健康度を上げるために活用していくことは、歯数と様々な全身状態との関係からも意義がある。また、歯数は国民にとっても非常に分かりやすい健康指標の一つになる得る。今後進んでいく PHR(Health Personal Record) 議論のなかに、歯や口腔の情報が遅れることなく他のデータと一緒に取り込まれることで、国民の健康の維持向上に役立つことから、歯科におけるデータの可視化は喫緊の課題となっている。

 最後に、今回の COVID-19が社会のみならず 歯科保健医療に与えた影響は計り知れないと考える。健康日本21(第二次)でも重要とされている社会参加の取り組みを各地域で補助金等を活用し開始されようとしていた時期にCOVID-19の影響で各地の事業が停止もしくは縮小されていると推測され、次期の健康日本21の目標値を決める重要な歯科疾患実態調査(2021年度実施予定)も中止。今後は歯科疾患実態調査等が担ってきたデータ整備についても NDB 等お活用も含めた検討が求められている。

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