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2022年5月 5日 (木)

人間と科学 第332回 医療統計学リテラシー(4) ②

続き:

 著名な統計家かつ医師でもある Douglas Altman 氏は「誤った解析手法を故意にまたは知らず知らず使う、正しい解析手法を誤った方法で使用する、解析結果を間違って理解し発表するなどにより不当な結果を導く、このようなことが数え切れないほど多くの一般的、専門的な医学研究論文で日常的に行なわれていて、これは間違いなく医療スキャンダルだ」と言っている。表(後で)に正しい統計検定を選択する際の 6 つのポイントを挙げている。左から順に分類していけば最終的に正しい答えに到達する。大切なデータを正しく解析し、大切な研究結果を世に送りだせるよう、活用していただきたい。

  それぞれの項目の分類の仕方をみてみよう。

 (1)差を見るのか相関を見るのか?」

   治療群と未治療群で平均血圧を比べるといった具合に、差には複数の比較群が必要となる。一方、相関は複数の比較群は存在せず、年齢が上がれば、血圧も上がるというような 2つの連続変数の関連を調べる。

 (2)比較データが対応しているか?

   新薬と既存薬に割り付けて効果を調べるような研究では、新薬を使う人と既存薬を使う人は全く無関係に選ばれるので比較群間のデータには対応がない。一方、ある目薬の効果を調べるため 10人の患者のそれぞれ右目に新薬を左目は既存薬を投与するような研究では、右目と左目のデータは同じ患者のものであるため対応ありと見なされる。

 (3)アウトカム変数の種類は?

  連続変数は年齢や血圧といった連続した値を持つ。性別(0:女性、1:男性)や生存(0:生存、1:死亡)のようなカテゴリーによって分類されたデータをカテゴリー変数と呼ぶ。カテゴリー変数の中で性別のように、2つの値しかとらないデータを 2値変数とよび、3つ以上の値をとるカテゴリー変数は、順序付けができるかどうかで順序変数と名義変数に分類できる。重篤度(1:正常、2:中等度、3:重篤)などは順序変数であるが、病気の種類(1:癌、2:心臓病、3:感染症、4:糖尿病)は名義変数である。

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