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2022年5月12日 (木)

人間と科学 第334回 転換期を迎えるエネルギーシステム(1) ③

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 2015年策定の SDGs は中間点に差し掛かっているが、サステナビリティ分野の歴史を遡ると本年は様々な節目の年に当たっている。環境問題に関する初の大規模政府間会合であったストックホルム会議の開催や、世界的に注目された「成長の限界」(ローマクラブ)の発表から丁度半世紀が経過した。「地球サミット」と呼ばれたりリオ会議から 30年、そこでの合意を契機とする気候変動枠組条約の締結国会議(COP)で、初めて法的拘束力を持つ中期的枠組を合意した COP3 (京都会議)からも 25 年、になる。

 そうした象徴的なマイルストーンにとどまらず、実際の取り組みにおいても近年潮目が変化している。黒住自身が国際エネルギー機関 (IEA) での 2度目の勤務に就いた 10年前は、内外の政治アジェンダにおいて気候変動対策の優先度低下が目立っていた。背景には、金融危機の影響や、京都議定書の後を継ぐ中期的な国際枠組が不十分だったことなどがある。

 最初に携わったプロジェクトとなった特別報告(2013年、2015年)の背景には、そうした状況に対する IEA の懸念があった。報告では、新たな枠組の合意を目指す COP21 (パリ会議、2015年)に向けた材料を提供しつつ、枠組の開始を待たずに各国がすぐに取り組むべき方策を提言した。

 終了時に会場が歓喜に包まれた映像に象徴されるように、パリ会議は一定の成果を得たと評価されている(パリに所在する IEA 内の空気も変わった)。ほぼすべての国と地域が中期目標を提出(5年ごとに更新)し、各々の実施報告に対する専門家レビュー実施も決められた。

 

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