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2022年5月18日 (水)

Topics 歯科口腔領域におけるタバコの影響と禁煙支援 ③

続き:

1) 能動喫煙との関連

 能動喫煙は、歯周病やう蝕への影響を通じて歯を早期に喪失させ、口腔機能低下を引き起こす。能動喫煙と歯周病との因果関係はすでに確立している。2020年4月には、紙巻きタバコのパッケージの注意文言に「喫煙は、あなたが歯周病になる危険性を高めます」が追加された。また能動喫煙は、口腔機能を回復させるインプラントの予後にも影響を与えることが示唆されている。

 喫煙者では、インプラント治療に先立って禁煙指導を行うことが推奨されており、学会ガイドライン等にも記載されている。

2) 受動喫煙との関連

 受動喫煙と子どものう蝕との因果関係について、すでに国内外から多くの報告があり、そのエビデンスは前述のレベル2に到達している。WHOのメタアナリシスでは、受動喫煙の子どものう蝕に対する統合オッズ比は、乳歯で2.0(95%信頼区間 1.8~2.3)であった。永久歯で1.5(95%信頼区間 1.3~2.8)であった。

 日本の3歳児を対象として、家庭内受動喫煙及び胎児の受動喫煙である妊娠中喫煙と子どものう蝕との関係を調べた結果も報告がある。受動喫煙と歯周病との関連についてもくつかの報告がある。唇裂口蓋裂については、妊娠中喫煙との因果関係がすでに確立している。

3) 歯科口腔疾患に対する禁煙効果

 歯周病、歯の喪失、う蝕、口腔がん、前癌病変では、禁煙によりその疾患リスクは低下する。禁煙期間とリスク低下との関連も示されており、非喫煙者と同じレベルになるまでの期間は、歯周病で10年、歯の喪失で10~13年、口腔がんで20年以上と

h報告されている。

 禁煙による歯科治療効果の改善については、禁煙者は喫煙継続者と比べて、非外科的歯周治療後の歯周ポケット深さの減少が大きく、口腔がん手術後の再発率が低い。また、根幹治療のリスクは禁煙 9 年以上で非喫煙者と同レベルになる。

 

 

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