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2022年5月28日 (土)

人間と科学 第335回 転換期を迎えるエネルギーシステム(2) ③

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 しかし、当時世界のエネルギー消費の 62%を占めた OECD 加盟国の割合は、2019年には 37%まで下がっている。新興国の急速な経済拡大のインパクトは、使うエネルギーの量だけでなく中身にも及ぶこととなった。成長の原動力の一つとなった石炭は、長期的に低下傾向にあったシェアが 2000 年以降上昇に転じたのが一例が。

 化石燃料は今も一次エネルギーの 8 割を占めている。これほど長期にわたり支配的地位が揺るがなかった要因は何だろうか。その一つに化石燃料が持つ基本的な利点として、エネルギー密度(単位質量あるいは体積当たりのエネルギー量)の高さがある。石油製品の一つであるガソリンは 12000~13000 Wh/kg、石炭の一種である瀝青炭が 7000 Wh/kg、天然ガスは 14000 Wh/kg、ちなみにリチウムイオン電池は 100~200Wh/kg 程度とされる。先に述べたように蒸気機関により熱から動力へのエネルギー変換が可能となった際には、薪などと比べはるかに熱量が得られる石炭が重宝された。

 加えて輸送が比較的容易であること、低コストで長期間の貯蔵が可能といった特徴もあり、タンカーやパイプラインで地域をまたがり莫大な費用と時間をかけてまで、石油や天然ガスが運ばれてくるわけだ。

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