人間と科学 第335回 転換期を迎えるエネルギーシステム(2) ②
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その重要性と枯渇性のため、供給力の趨勢に関して論じられてきた。生産量が左右対称のロジスティック分布曲線を示すとするハバート・モデルに基づくピ―クオイル論が代表的で、いつが生産ピークになるか、可採年数とともに、何度も議論の俎上に上がってきた。
天然ガスは当初、石油の付随物的に扱われてきたが、近年は化石燃料で最も高い伸びを示してきた。石炭や石油と比較すると産出するエネルギー当たりの co2 排出量が少ないのも特徴だ。
相対的な位置づけに着目すると、主役の座が石炭から石油に移り、徐々に天然ガスの存在感が増してきた格好だ。それでも石炭は最大の電力源の役割を担ってきた。要は、世界のエネルギー需要全体が拡大し続けるなかで、絶対値ベースではどの燃料も増加基調にあったといえる。その背景にあるのが、経済拡大(関連する人口増加や都市化も含む)であり、過去 100 年間で人口は3倍以上、GDP が20倍、そしてエネルギー使用量は 10 倍に拡大した。
世界、180 か国余りにつき、縦軸→エネルギー消費量と横軸→GDPに取りプロットした。気候などの諸条件が国ごとに異なるので幅があるものの、経済規模とエネルギー消費量との強い相関性がうかがわれる。この傾向は、いずれか一國をとりあげて時系列でこの両者の推移をみると、より顕著に示される。
今後についても、世界全体では、人口や経済の一層の拡大が見込まれる。そうしたなかで持続可能性を高めるためには、経済活動規模とエネルギー消費の強固な関係を弱めること(デカップリング)が鍵の一つとされる。
需要面における国の勢力図はどうらろう。かっては「エネルギーを大量消費するのは先進国」という図式に概ね収まっていた。IEA は、OPEC(石油輸出国機構)に対する消費国間の協調の場としての期待があった。高所得国で構成されるOECD(経済協力開発機構)の枠内に設置されたのもそうしたことが背景にある。
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