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2022年5月26日 (木)

人間と科学 第335回 転換期を迎えるエネルギーシステム(2) ①

黒住 淳人(京都外国語大学・京都外国語短期大学副学長)さんの2回目であるコピーペー:

現代社会の形成に大きな役割を果たした化石燃料

 将来シナリオを見ていく前の基本情報の一環として、今回は近代エネルギーの推移につき化石燃料を中心に概観したい。前回の最後に、化石燃料への依存に強い逆風が吹いているが、事はそう簡単ではなさそうだ、と述べた。ウクライナ情勢の深刻化を受け、IEA(国際エネルギー機関)では、、加盟国で、備蓄している石油の一部を協調放出することで合意した。供給懸念や価格高騰の抑制を意図したものだ。その他、天然ガスの多くをロシアからの輸入に依存する欧州向け、米国から輸出を増やす動きなど、連日の報道は、次回詳しく取り上げるエネルギー安全保障や、地政学における化石燃料の重要性を改めて認識させる。

 人類の歴史上、長らく水や風、生物資源が熱源や動力源として使われてきたが、18 c.後半からの ワットによる本格的な蒸気機関の登場に伴い、石炭が工業化の最初の担い手となった。石炭の豊富な熱量を動力に変換することにより、それまでにない生産能力や輸送能力、稼働安定性が実現したことに加え、水へのアクセスといった気候や地形の制約から解放されたことが重要だ。工場立地の自由度が飛躍的に高まったことは、現代社会の形成に大きな役割を果たしたといえる。

 1.5 ℃といった温暖化目標数値は、工業化以前を基準とした上昇値を指す。人類の活動が気候に影響を与えるまでに至った契機が産業革命であったことを物語る。

 次に石油が台頭し、国際政治や経済上極めて重要な位置を占め「20.c は石油の時代」と呼ばれた。それだけに 1970 年代、中東からの供給途絶懸念に端を発する価格急騰の衝撃は大きく、以来各消費国では石油への依存を減らす努力が模索された。それでも第一次石油危機から半世紀近く経っても、3割強を占める最大の一次エネルギー源であり続けていることは示唆的だ。

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