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2022年6月17日 (金)

デジタル・デモクラシー~監視広告を駆逐せよ~②

続き:

  データ・マイニング(採掘)とターゲティング広告

 私たちインターネット利用者は、毎秒毎秒、ネットの海に自身の膨大なデータを無防備に投げ込んでいる。Google検索、Facebook への投稿や「いいね!」、Amazon でのショッピング、YouTube の視聴……。無料でていきょうされるのか?これらのサービスと引き換えに、企業は個人情報を含むデータを採掘する(データ・マイニング)。集められたデータは瞬時に分析、一人ひとりに異なる広告が、異なるタイミングで提示。これが「ターゲティング広告」だ。高読者や視聴者が一律に同じ広告を見せられる新聞やテレビとは根本的に違うのだ。Facebook をみていると、何故か昨日検索した商品に関連する広告が表示される、といったことは既に起こっているが、これがあなた個人を「ターゲット」にした、あなただけのためにカスタマイズされた広告である。集められたデータの量が増加するにつれ、より精緻なターゲティングが可能となった。

 インターネット広告に関する技術は「アドテクノロジー(アドテク)」と言い、この20年で飛躍的な技術革新が進んできた。利用者が過去に見たウエブサイトの情報(閲覧履歴)を取得するクッキー(Cookie)の仕組みもそうだ。ウエブサイトの運営者と広告企業がクッキーをやりとりすることで利用者ごとにターゲティング広告を打つことが可能となった。また、各ウエブサイトに表示される広告を配信・管理するための専用サーバー(アドサーバー)の登場と進化によって、広告の出し分け、表示回数やクリック回数などの配信結果の管理なども可能となった。特に「ターゲティング広告」は大きな進化を遂げた。利用者がウエブサイト上で年齢や性別等の属性情報を登録しなくても、閲覧履歴などの行動履歴情報から、その人の興味や嗜好を分析・推定して小集団(クラスター)に分類、広告を出し分けられるようになった。今では、プラットフォームを活用した「運用型広告」が主流となり、広告表示がされるたびリアルタイムで入札が行なわれるなど、私たちからは見えないネット広告市場の世界はさらに高度・複雑になっている。

 技術の進歩に伴い、世界でも日本でも、既にインターネット広告は、新聞・雑誌・TV を凌駕する時代に入っている。2021年の日本の総広告費 6兆7998億円のうち、インターネット広告費用は、2兆7052億円。広告費全体の 39.8%にも及ぶ。2012年には、15%程度だったことからすれば飛躍的な伸びであり、しかもこの傾向は今後も加速すると見られている。

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