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2022年6月20日 (月)

デジタル・デモクラシー 監視広告を駆逐せよ ⑤

続き:

  相次ぐ変更、不親切なサポート体制

 「顧客の基盤を拡大するために、Facebook広告を利用していますが、いったい自分は何のためにお金を払っているのか理解に苦しむことがよくあります。『いいね』『エンゲージメント』『リーチ』などの指標は、私には何の意味も持ちません」(イベント企画企業経営者のエドガー・コメラス氏)

 中小企業経営者にとって、ターゲティング広告の仕組みはブラックボックスだ。これら中小企業は、ビッグテックの指示する方法に沿ってウエブサイトの仕様や商品管理の方法を変更することがよくあるが、ビッグテック側は広告に関するアルゴリズムやルールを突然変更することがある。例えば、Facebook は、フェイクニュースや偽情報を減らすためとして、掲載可能な広告の基準を変更した。ほとんどの場合、基準を満たすかどうかは AI(人工知能)とアルゴリズムが判断するが、その結果、多くの中小企業の広告がブロックされてしまったのだ。

 バージニア州リッチモンドでフェアトレード店を経営するグアダルーペ・ラミレス氏はその一人だ。

 「私の店では、労働者を搾取する『スウェット・ショップ』の商品は一切扱っておらず、すべてがフェアトレード商品や環境に配慮した商品です。Facebook に広告を出す際には、掲載許可を得る必要があるのですが、『先住民の権利』『女性』『環境』といった言葉を使った広告が拒否されたことがあります。森林再生に関するイベント広告がブロックされたこともありました」

 問題はそれにとどまらない。不可解に思った彼女は、Facebook のカスタマーサービスに問い合わせるが、そこには自動返答システムがあるだけで、問題解決には至らない。このような対応に泣き寝入りする広告主も多いという。

 「ビッグテックが記録的な利益を上げ続ける一方で、全米の中小店舗は廃業に追い込まれています。大企業は、ミスリーディングで信頼性の低いデータの提供、隠れたコストや高い参入障壁、分かりにくいインターフェースの設計、規則やアルゴリズムの突然の変更を平気で行ないます。中小企業の経営者は、このような『大企業の気まぐれ』に従属させられているのだ。そして、ほとんどの中小企業経営者は、こうしたサービスを利用したいのではなく、『他に選択肢がない』と感じているのだ」(レーリッヒ氏)

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