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2022年6月19日 (日)

デジタル・デモクラシー~監視広告を駆逐せよ~④

続き:

  曖昧な効果

 「私は多民族舞踊団を運営していますが、、公演の観客を集めたり、資金調達の方法として Facebook 広告を利用している。ただ、有料広告の効果がどのくらいのものか、知る手段がないのが一番の不満です」

 ニュージャージー州プレーンフィールドに住むアニタ・トーマス氏は、ビジネス・マーケティングの専門家だが、ターゲティング広告に戸惑いと不安を感じている。Facebook は、有料プロモーションを最適化するために必要な情報(ターゲット層のうち何人が実際に広告を見たかなどのデータ)を広告主に提供しないからだ。

 「私たちが受け取るのは集計された数字だけで、ターゲットとなる情報は決して中小企業の経営者には共有されないのです」

 ビッグテックは広告主に対して、ターゲティング広告を使えばいかに潜在的な顧客を開拓できるかをアピールする。しかし、広告が実際に目指すターゲット層に届くことは保証されていない。それどころか、事前の宣伝文句や数値が誇大であることを示す事例がいくつも報告されている。

 例えば、Facebook はある広告主に対して「米国内の 18~24歳の潜在的な顧客 4100万人にリーチできる」と主張していたが、米国の国勢調査( 2016 年に人口推定値を更新)によれば、その年齢の該当者は 3100 万人しか存在しなかった(2018年、カナダの調査企業 Pivotal Research の調査)。2018年、米国での Facebook に対する集団訴訟の証拠資料からは、同社の広告のリーチ推定が誤ったデータに基づいていたことが判明している。同社は否定しているが、最高執行責任者(COO)のシェリル・サンドバーグ氏は、2016年時点でこの問題を認識しながらも改善しなかったことが明らかとなった。さらに同社の従業員が「いつになったらリーチの過大な見積もりから逃れられるのか?」と書いた社内メールもばくろされた。

 これ以外にも、Facebook は自社プラットフォームの動画視聴の指標を60~80%も水増しして広告主に提示していたと認めており、先述の裁判資料ではその割合が 150~900%にも及んでいた。こうした数々の事例からも、同社が様々な数値を操作し、「誤解を招く誇大な指標」を日常的に広告主に提示していたことは明らかである。

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