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2022年6月 1日 (水)

デジタル・デモクラシー~ロビイストから民主主義を取り戻す~ ①

内田聖子(NPO法人アジア太平洋資料センター共同代表→PARC) さんのレポートが「世界 4」に載っている コピーペー:

 前例のなさゆえに、わたしたちは武装を解き、監視資本主義に魅了された。その間にグーグルは、宣言による侵略という技法を習得し、望むものを手に入れ、それを自分のものと称した。(…略)グーグルは選挙プロセスにおける自らの有用性、官僚との強力なコネクション、ワシントンとシリコンバレーの間での頻繫な人材の行き来、潤沢なロビー活動費、文化的影響を及ぼすための継続的な「ソフト・パワー」キャンペーンによって、自らの操作を積極的に保護した。 ショシャナ・ズボフ 『監視資本主義―――人類の未来を賭けた闘い

 

 グーグルに代表されるビッグテックが、この20年で巨大な力を持つに至った要因は、決して単純なものではない。ビッグデータとAIを用いたデータ・マイニングと行動ターゲティング広告というビジネスモデル、気鋭の実業家と技術者、投資家、広告クライアントなどのプレイヤー、便利さと快適さを渇望する消費者―――。

 しかし、ビッグテックの真の「力」は、自らを規制するルールの策定を阻止するために、政治と政策に強い影響力を行使してきた。その戦略にこそ表れている。人材と資金を総動員するロビー活動はビックテックによる要塞化であり、公共政策を歪め、監視資本主義の市場をここまで成功させてきた要因の一つだとズボフ教授は論じる。

 勿論、大企業によるロビーは、いつの時代にも、どの国でも、行なわれてきた。しかしビッグテックの支配力が増すにつれ、国際的にも各国においても、規制を求める声はかってなく高まっている。するとその反作用として、ロビー活動はますます激しさを増す。そういうサイクルが生まれている。

 こうした攻防が激化する中、ロビー活動の透明性を求める市民社会の運動、内部告発者やリーク文書などによって、秘密のカーテンの向こう側で行われているロビー活動の一端が少しずつ人々の前に引きずり出されるようになった。

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