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2022年6月18日 (土)

デジタル・デモクラシー~監視広告を駆逐せよ~③

続き:

  搾取の構造――苦しむ中小企業

 しかし同時に、ターゲティング広告への批判は世界各国で高まり続けている。「行動がのぞき見されているようで気持ち悪い」「自分のデータを勝手に利用されたくない」と多くの人が感じる。実際、貧困層に対し高金利ローンのターゲティング広告が頻繫に掲示されたり、10代の若者に対しダイエット情報のターゲティング広告が出されるなど、利用者に負の影響をもたらす事例が後を絶たない。

 ターゲティング広告の問題は、広告を見せられる利用者への影響だけにとどまらない。実は、このシステムの中で苦戦し、金銭的な損失を被っているのは、広告出稿をする側、特に中小企業だ。

 2021年10月、米国で「ビッグテックに抵抗するメインストリート (Main Steet Against Big)」という名前のキャンペーンが始まった。ここでいうメインストリートとは各町の主要な商店街という意味。中心となるのは IT 企業に透明性と説明責任を求める市民団体「アカウンタブル・テック(Accountable Tech' 説明可能な技術)」だ。このキャンペーンは、「メインストリート同盟」や「スモール・ビジネス・ライジング」「地元企業の自立のための研究所」などの組織からも支援されている。アカウンタブル・テックの共同創設者のジェシー・レーリッヒ氏はこう語る。

 「Facebook' Google' Amazon などの大企業は、あまりにも長い間、企業としての説明責任や改革を回避する『盾』として中小企業を利用してきた。彼らは、自分たちは中小企業の『救世主』だと言いながら、実際にはゲートキーパーという地位を乱用し、独占的な利益を守るためにデジタルの専門知識に乏しい中小企業を搾取しているのです」

 米国のオンライン商取引は、Google' Facebook' Amazon の三企業によって大きく支配されている。三社を合わせると米国のデジタル広告市場の 90 %を支配、またこれら三社は、米国で使われる全ての広告費の半分以上を受け取っている。同キャンペーンは、これまで表に出にくかった中小企業や小規模店舗の経営者たちの声を集めることから始まった。その声は同キャンペーンの報告書『ビッグテックによる商店街の搾取:小規模ビジネス経営者からの声』にまとめられているが、米国以外の各国の小規模事業経営者が共通して抱える問題である。今度はどんな問題点が出てくるかを取り上げる。

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