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2022年7月10日 (日)

Clinical 歯科における薬剤耐性(AMR) 対策 ①

大曲 貴夫(国立国際医療センター理事長特任補佐)さんの小論文を載せる コピーペー:

1. 薬剤耐性 (Antimicrobial Re sistance : AMR)対策の背景 

 薬剤耐性菌が世界中に拡大し問題となっている。しかし AMR の問題が大きくなる一方で、新規の抗微生物剤の開発は停滞している。このまま対策が行なわれなければ、2050年には世界で毎年 AMR によって亡くなる人数が年間1000万人に達するとの試算がある。これは、がんで年間に死亡する患者数をはるかに上回る数である。将来にわたって抗微生物剤を使用することができるよう、今から AMR 対策を行っていく必要がある。

 日本においては 2016年4月に薬剤耐性対策アクションプランが発表された。日本の「薬剤耐性(AMR) 対策アクションプラン 2016=2020」には、WHO の AMR に関するグローバル・アクションプランの 5つの柱を参考に、「国際協力」という日本独自の 6つめの柱を加え、6分野ごとの目標・戦略・取り組みが設定されている。

※ 日本の薬剤耐性 (AMR) 対策アクションプランの6 分野とその目標

 

     分 野                   目 標
 1 普及啓発・教育 薬剤耐性に関する知識や理解を深め、専門職等への教育・研修を推進
 2 動向調査・監視 薬剤耐性及び抗微生物剤の使用量を継続的に監視、薬剤耐性の変化・拡大の予兆を的確に把握
 3 感染予防・管理 適切な感染予防・管理の実践により、薬剤耐性微生物の拡大を阻止
 4 抗微生物薬剤の適正な使用 医療、畜水産等の分野おける抗微生物剤の適正な使用を推進
 5 研究開発・創薬 薬剤耐性の研究、薬剤耐性微生物に対する予防・診断・治療手段を確保するための研究開発を推進する
 6 国際協力 国際的視野で多分野と協働して、薬剤耐性対策を推進

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