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2022年8月17日 (水)

デジタル・デモクラシー 暗躍するデータブローカー ①

内田聖子(PARC)さんは共同代表である。―自由貿易・投資協定のウオッチ、政府や国際機関への提言活動などを行う。「世界 8」よりコピーペー:

 「米国カトリック教会の幹部司祭ジェフリー・バリルが、同性愛者向け出会い系アプリ使用とゲイバー通いが発覚し、辞任」

 2021年7月、米国メディアがいっせいに報じたこの出来事は大きな話題となった。カトリック教会が同性愛に不寛容であるのは周知の事実だが、司祭の行動がスマホのアプリを通じて追跡され、世間に晒されたことに、多くの人が違和感と恐怖を抱いたのだ。

 いきさつはこうだ。米国のカトリック系メディア『The Pillar』が、同性愛者を対象とした交流・出会い系アプリ「Grindr」の利用履歴から、司祭が教会所有の住居などで同じアプリを使用していたことを突き止めた。しかし、司祭はアプリ使用後は必ず利用履歴をスマホから削除していた。にもかかわらず、なぜ情報が流出したのか。その理由は「データブローカー」と呼ばれる仲介業者が、グラインダーから購入した利用情報を『The Pillar』に販売していたからだ。同紙によると、入手時のデータは司祭のスマホに関連付けられていなかったが、コンサルティング会社に分析を依頼すると簡単に特定できたという。

 この一連の流れの中で、二つの論点が改めて提起された。一つは、データを売り買いする「データブローカー」の存在、もう一つは、「個人が特定されない」として売買されるデータであっても、分析・処理をすれば誰がどこで何をしていたかが容易に特定できてしまうという実態だ。

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