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2022年8月14日 (日)

人間と科学 第337回 転換期を迎えるエネルギーシステム(4)―②

続き:

4) 原子力発電

  温室効果ガスを出さない利点もあり、2000年代半ばには、「原子力ルネッサンス(再興)」という言葉も聞かれたが、2011年の原子力発電所事故が多くの国で政策転換をもたらした 新興国の一部では引き続き増加傾向にあり、先進国中心だった地域バランスに変化がみられる。

5) 風力発電および太陽光発電

  335 回で言及したエネルギー密度の低さも足かせになり、2000年時点では全体に占める割合は極めて低かった。しかし、各国の公的支援も追い風にして、ここ10年ほどの普及の進展と費用低下の相乗効果が著しい。

 これらの多くはさまざまな要因が複雑に働いたもので、エネルギー動向における不確実性の高さを物語る。当該分野で最も著名な評論家の一人であるダニエル・ヤーギン氏も近著で述べているように、技術運動や利便性、経済、環境に加えて、政治、政策、社会運動なども一層複雑に絡み、将来の見通しを一層不透明にしている。

 しかし、未来は誰にも分からないからといって、見通し分析を軽視するのはもったいない。「根拠に基づく(evidence-based)」アプローチは、医療分野でいち早く登場したと聞く(Evidence-based Policy Making : EBPM) が注目されているが、適切に使えば計量モデルを基にしたシナリオ分析はその有用なツールとなるうる。

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