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2022年9月19日 (月)

HIV 陽性者を歯科医師が診るということ ④

続き:

Q. 現在の HIV 陽性者の診療頻度はおよそどのくらいですか

 週:約 2名(COVID-19 前は週 4~5名)

Q. 経皮的暴露時の予防薬の準備についての対応は? また、経皮的暴露があったときの対応?

 当院は中野区ではあるが、新宿と区境で新宿区内の拠点病院が近いため、いざというときには30分以内に駆けつけられる位置にあり、自院での予防薬の保管はしていない。もし暴露事故等あれば、直ちに駆け付けられる体制にある。

 私自身は2、3回の針刺し経験あり、殆ど浸潤麻酔時の事、30Gの針でかつ血液を吸引するような(自然には血液入ってきているでしょうが)ことは無い状況での事故です。患者さんのコントロール状態把握したうえでの事で、あえて予防薬飲むつもりもなく、やり過ごしている。もちろん、今でもHIV 陽性にはなっていません。

 紹介されて来院している HIV 陽性者の患者さんよりも、むしろ、コントロールされていない感染症の患者さん、つまり自分で自覚していない患者さんの方が怖いです。

Q. HIV 陽性者の診療を拒否あるいは特別視している歯科医療従事者へ伝えたいこと、ご意見など

 「スタッフが受け入れてくれないので協力できません」などと言い訳している先生がみえますが、ご自身が勉強して理解していないではないかと疑ってしまいます。当院では受け入れを決めた時もそうですが、新しくスタッフを雇用する際にも、当院での診療体系システムを説明し、感染症患者(HBV、HCVを問わず)を受け入れていることを説明したうえで雇用しているので、協力を断られたことがありません。本音は、聞いてみなければわかりませんが、家庭の事情の無い限り皆7,8年以上は勤務しているので、嫌がられてはいないのではないかと思っています。今年、7年間勤務した者がご家族の介護のために退職しましたが、新たに卒業 2年目の者が入職しています。

Q. HIV 陽性者の診療受入れをして良かったこと、スタッフの方のお話でも。

 健康意識は高いので、リコール葉書を出した時、速やかに連絡をくれる人が多い。

Q. HIV 陽性者の初診はどんな経緯ですか

 殆どが都内の拠点病院から紹介。診療情報提供書付が多い。通院されている方の紹介というケースもある。その場合 HIVで通院中の病院確認やデータをお願いすることもある。東京都の HIV/AIDS 紹介システムは機能している。

Q. 現在の HIV陽性者の診療頻度はおよそどのくらいですか。

 月に30人ほど、現在までに154名の方。

Q. 経皮的暴露時の予防薬の準備についての対応は、また、経皮的暴露があったときの対応?

 私は、他地区で HIV の話する時に必ず確認事項として使うキーワードとして肝炎とHIV の針刺しによる感染リスク「100:10;1」、針刺し事故リスクのもとになっている注射針のゲージ数「27G」です。医療関連の事項で完全とという言葉は使えないが、過度な警戒を和らげられればと思い講演の中に織り込んでいる。

 幸い、今まで、HIV 陽性患者さんでの針刺し事故発生なし。

Q. HIV 陽性者の診療を拒否あるいは特別視している歯科医療従事者へ伝えたいこと、ご意見など

 歯学部に進むのを決めた時、産婦人科の父から「歯科医師は、産婦人科の次に肝炎を罹る人が多いからな」と言われた・超高齢化社会に向かっている今、患者さんは皆有病者という気持ちで対応しないといけないでしょうし、在宅の中でも HIV 陽性の方が増加してくるかもしれません、私は、歯科医師は、れっきとした医者だと思っています。

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