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2022年9月20日 (火)

HIV 陽性者を歯科医師が診るということ ⑤

続き:

   3. A デンタルクリニック(東京)

Profile

  東京都の東の端ににある、江戸川区の「A デンタルクリニック」です。ビルの 1 階のテナントにて 2010年に開業しました。歯科医師は院長のみ、スタッフは3名で、ユニットは4台あります。日曜日も診療しています。自己紹介は、来年還暦になります。1991年T大学歯学部を卒業してT医科大学口腔外科に研修医として入局し、なんだかんだと19年間在籍しました。

Q. 歯科医師になった理由は?

 実家は内科開業医で祖父、父も医師です。今は兄が継いでいて兄の娘も小児科医という医系一家。私は医療者として歯科医を目指した。大卒後は医科系施設が面白いと思ってT医大口腔外科に入局しました。

Q. HIV陽性者の最初の歯科治療は、いつ頃?その状況は?そのきっかけは?

 T医大口腔外科では血液疾患患者などの有病者の歯科医療にも従事していた関係で HIV 陽性者の治療も携わったきた。入局すぐの1991念goro年ごろにはすでに血友病の患者も治療していた。

Q. HIV 陽性者の最初の診療の感想は?

 1991年ごろは大学病院内ではHIV感染の有無を我々には開示されていません。「B型肝炎と同様に扱うよう」としか聞かされていない状態だ。感染に対して気をつけるくらいで、特別な感情はあいません。2,3年後くらいからは担当医には HIV 陽性が開示されるようになった。当時はまだ抗 HIV薬の種類も少なく、AIDSが発症される患者も多く、CD4が低値でしたので、カンジダなど口腔症状には気を使った。

Q. HIV 陽性者の診療受入れにあたっての支障、問題はあり?又、それはの対応は?

 2010年にT医大を退職、開業。開業して1年くらいからは受け入れていたと思う。開業にあたり私は居抜でクリニックを買い取り、スタッフもそのまま継続で雇用したのですが、以前からの感染対策は一度白紙に戻し、スタッフに HIV感染症を十分に説明して、感染対策も構築しなした。意外にもスタッフからは拒否反応はなく、理解、納得してそらえた。

Q. HIV 陽性者の受入れをしていることを、他の患者さんは知っているか?

 あえて明示することはなし。HPや院内に掲示している「私のプロフィール」や掲示物等にはHIV陽性者の診療に従事したことを書いてある。むしろ、HIV陽性者との会話から、他の患者にHIV 陽性者とわからないように気を使っています。待合室でHIV陽性者と一般の患者が同席することも多いから。コロナ禍の今はお互いの顔が見えないパーテーションを設置していて以前よりも患者同士の接点は少ない。

Q. HIV 陽性者の受入れて良かったこと、スタッフの方でも。

 コロナ禍の現在ではスタンダードプリコーション以上の対策を考えねばならないし、元来、いつも感染対策を考えていたので、HIVはあまり苦になりませんでした。

Q. HIV 陽性者の初診の経緯はどうでしたか

 東京の端にある・駅からも遠いクリニックなので HIV陽性者の患者数は多くない。HIV拠点病院からの紹介が殆どですが、HPを見て直接 tel で問い合わせのケースもある。その時は患者から CD4 数や服薬種など問診で聞く。

Q, 現在の HIV 陽性者の診療頻度はどのくらいですか?

 定期的に受診する方もいるので大体4~5人/月です。

Q. 経皮的暴露時の予防薬の準備についての対応は?また、経皮的暴露があったときの対応は?

 今までに暴露経験無し。

 予防薬は東京都福祉保健局から提供されている、予防服用マニュアルを活用するつもり。

 東京都福祉保健局のHPにもリストがあると思います。

Q. HIV陽性者の診療を拒否あるいは特別視している歯科医療従事者へ伝えたいこと、ご意見を

 コロナ禍の現在では、どの診療施設でも感染対策は徹底されているはず。HIV 陽性者への特別な感染症対策はほとんどないと思う。感染対策に手間がががることなどを理由にしないでほしいと思います。抗 HIV 薬を服用しコントロールされている患者は、ほとんど一般の患者と変わらない、インプラントでも何でもできると思います。是非、拒絶しないでほしいです。

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