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2022年10月25日 (火)

Science 長期療養する要介護高齢者における摂食嚥下機能と口腔内薬剤耐性菌の分布 ③

続き:

2. 専門的口腔衛生管理下の重度要介護高齢者における口腔内薬剤耐性菌の分布状況

 広島県内の介護医療院 B において、2020年12 月より、65歳以上で要介護 4 もしくは 5 の高齢者を対象に口腔内耐性菌の保菌調査を実施した。この施設は歯科を併設しており、歯科衛生士3名が専門的口腔衛生管理を定期的に実施、看護師並びに介護士が1日3~4回、口腔清掃を実施している施設であった。

 協力者は57名(男性7名、じょせい50名、平均87.5±7.8歳)。全身状態が安定し、90日間に2回以上の抗菌薬の処方無し、施設内へ半年以上入所しており、摂食嚥下機能の低下により、嚥下調整の摂取又は経管栄養を受けている者(非経口摂取)であった。対象者はほぼ寝たきりで、認知面や覚醒レベルの低下から、口腔機能評価は実施困難だ。口腔状態の評価として Oral Health Assessment Yool (OHAT)を用いた。→表示①

 その結果、29名(50.9%)より口腔内耐性菌を検出した。

 平均年齢     (69歳ー102歳)   
 性別       男性 7名 女性 50名  
 Barthel Index  0点         44名(77.2%)   
   5点        7名(12.3%)  
   10点        3名(5.3%)  
   15点        2名(3.5%)  
   40点        1名(1.8%)  
 栄養摂取ルート  非経口摂取        23名(40.3%)  
 尿カテーテル  調査時使用者         4名(7.0%)  
 既往症  脳血管疾患         42名(73.7%)  
   心疾患        23名(40.4%)  
   認知症        43名(75.4%)  
   大腿骨骨折         10名(17.5%  
 OHAT総合点        中央値3点(2-5点)         

単変量解析より口腔内耐性菌保菌の有無とOHATの唾液・残存歯状態並びに非経口摂取との間に有意な関連を認めた。さらにロジスティック回帰分析を行った結果、口腔内耐性菌の保菌について有意な関係を認めたのは非経口摂取のみとなった。

→表示②

 従って、専門的口腔衛生管理の下、長期に療養する介護医療院の施設利用者において、看護・介護スタッフによる口腔清掃が毎日実施されている要介護高齢者であっても、口腔内耐性菌を保菌している者が高い割合に存在し、経口摂取継続こそが唯一の予防策になる可能性がしめされた。

 

   ① 保菌調査実施可能者の臨床所見

     保菌調査実施可能者     57名           この次は続きへ

     

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