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2022年10月 7日 (金)

人間と科学 第339回 転換期を迎えるエネルギーシステム(6) ②

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 しかし既存のシステムが世界規模で変化を遂げるのは容易ではない。IEA(国際エネルギー機関)WEO-2021("World Energy Outlook 2021")も「狭い扉」と形容するように、必要とされる削減の量とスピード感は厳しい。すでにエネルギー消費過半を占める途上国では人口や所得の増加が続く。欧米の自動車保有が千人当たり500~800台なのに比べ、中国が160台、インドでは37台だ。世界人口の8割以上は航空機を利用したことが無く、中国では年間8っの空港が新設されているという。(Daniel Yergin,"The New Map" (2020)

 近代的燃料を使えないことによる屋内空気汚染で、世界で毎年400万人近くが亡くなっている問題も同時に解決していく必要がある。(エネルギーアクセス問題として、SDGsにも含まれている)。先進国も、日本は、再生可能エネルギーの適地や鉱物資源調達の不利も指摘され、現実的なロードマップが示されないまま急激な転換を強いられることへの懸念も強い。脱炭素の先頭を走るといわれる EU でも、実際には、各国の諸事情を踏まえてかなり現実的な対応がみられる。

 それでも、IEA は達成可能として道筋(50年ネットゼロシナリオ:2050年までにネットゼロが実現するバックキャスティング型シナリオ→1.5℃目標と整合的)を提示して、もたらされる変化を「新しいグローバルなエネルギー経済」として肯定的に捉えている。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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