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2022年10月 4日 (火)

神奈川県の歯科医師の体験記 ⑤

続き:

     3. N 歯科医院(神奈川)

Profile

      1987年に開業。歯科医師は3名。(私・妻・娘)、スタッフは、DH3 名、受付事務1名。通常の歯科診療を主体である。

院長の自己紹介

 1956年生まれ、東京都出身。K歯科大学卒後、開業医勤務の傍ら、T医科大学微生物講座にて研究従事、1990年医学博士学位を受領。1987 年現在の歯科医院を開業。2004年日本障害者歯科学会認定医取得、2016年日本障害者歯科学会指導医取得、2019年産業歯科医取得。

Q. 歯科医師になった理由は

 父は産婦人科医ですが、父とは宿泊を伴う旅行はなく、絶対医師になりたくなかった。自分はモノ作りは好きで器用なほうです。両親から手先が器用だから歯科医師になれば?と言われ、志すようになった。

Q. HIV 陽性者の最初の歯科治療は、いつ頃、状況、きっかけ?

 まだ、HIV陽性者と認識したことはない。今般、歯科医師会の職務分掌でHIV歯科診療ネットワークの運営に関わった。HIVの歯科診療は決して特殊でなく、B型肝炎やC型肝炎患者と同様の対応、すなわち「標準予防策」で十分に対応できると思い、ネットワークに参加。

Q. HIV……最初の感想は?

 先程のように、隠れHIV 陽性者はしたかもしれませんが、申告を受けての診療はまだなし。

Q. 診療受入れにあたっての支障、問題は、それの対応は、今でも続けている配慮は?

 他の歯科医院の事例だが、主治医からは歯科診療を受ける際、歯科は「標準予防策」ができているので、既往歴でHIV 感染について言う必要は無いと言われたそうです。医科からの情報提供(HIV 感染者の血中ウイルス量、服薬内容)が無いとこちら側は不安だ。HIV 感染を理由に診療を拒否されることはHIV 陽性者にとってストレスがかかるから、歯科診療ネットワークを通じて医科と連携、歯科診療を行うことがお互いのためになる。

Q. HIVを受入れしているのを他の患者さんは知っている?

 特別開示しない。感染対策が整っており、患者さんのプライバシー保護のためにも公表することは敢えて行ってない。

Q. HIV 陽性者の診療受入れをして良かったこと、スタッフの方の話からでもよいが、

 院内全員でHIVに拘わらず、B型肝炎、COVID 19 の感染対策について共通認識を持つことだ出来るようになった。

Q. 経皮的暴露時の予防薬の準備についての対応は?経皮的暴露があったときの対応は?

 針刺し事故が起った場合は、拠点病院に連絡すると対応できるシステムになっている。

Q. HIV 陽性者の診療拒否あるいは特別視している歯科医療従事者へ伝えたいこと、ご意見など

 針刺し事故時の感染率は0.3%で、B型肝炎(30%)やC型肝炎(3%)と比較して低い。2017年以降は U=U (Undetectable=Untransmittable)との考えが世界標準となっている。又、HIV感染者の血中ウイルス量が 200copies/ml未満であれば「針刺し事故」があっても「感染しない」との考えを理解する事だ。

   抗レトロウイルス療法ににより受けているHIV 患者からは(性行為では)感染しないということ。

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