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2022年10月 2日 (日)

神奈川県の歯科医師の体験記 ③

続き:

     2. KS 歯科医院(神奈川)

Profile

        横浜の下町で 1991年に開業。診療ユニット2 台、スタッフは私を含め 3 名。1日患者数 20人程。通常の歯科治療をする。

 院長の自己紹介

  1954年生まれ、横浜出身。T 歯科大学卒、すぐに Y市立大学医学部しか口腔外科講座入局。その後、関連病院で診療従事し、1991年に現在の歯科医院を開業。

 スタッフ紹介

  スタッフは家内(看護師)と非常勤歯科衛生士 1名。

Q. 歯科医師になった理由は

 医学部受験に失敗し、父(歯科医師)勧めにより歯学部受験し歯科医師になった。合格したので気が抜けて医学部受験をやめた。

Q. HIV 陽性者の最初の歯科治療は、いつ頃、状況、きっかけ?

 その人の治療経験したのは、1996年。他県から神奈川県に転居された悦雄病患者で、神奈川県立こども医療センター池田正一先生を介しての紹介。

Q. 最初の診療感想は

 HIV 陽性のことよりも血友病の管理に専念していた記憶がある。

Q. 自院にてHIV 陽性者の受入れは、いつ頃、きっかけ、経緯は?

 それは、横浜開催の第10回国際エイズ開業。同会議に合わせて神奈川県歯科医師会が研修会開催し、参加してから関心を持つようになった。それに自分の歯科医院の近くに風俗店街があり、当時はアジアから働きにきていた人たちを診療する機会があった。今振り返れば、明らかにステレオタイプの見方でしたが、池田先生にエイズの感染症対策について相談した際に B型肝炎と同じで十分に対応できると教えてくださいました。病院勤務医時代は肝炎患者の治療に抵抗はなかったのでこの陽性者の治療には抵抗はなかった。

Q. HIV 陽性者の診療受入れに支障、問題は、また、対応は、今でも続けている配慮は?

 今ではこの感染症の早期発見と早期治療が常識となっているが、当院で受入れ始めてしばらくは、CD4を基準にしたガイドラインも変更がたびたびあり、HIV治療開始時期も施設によりまちまちで、ウイルス量が10万コピーでも CD4が下がっていないので抗 HIV 薬の投与は開始されていないケースもある。

 当院に来院する HIV 陽性者はすべて東京や神奈川県の拠点病院からの紹介でしたから医科の先生と連携を取り、診療を進め、どうしても対応できない口腔外科処置は神奈川県のHIV診療ネットワークに登録している病院歯科に依頼している。

 また今では見ることがほとんどない HIV 関連の口腔粘膜疾患も診ることがあり、医科にその情報をフィードバックしたこともあった。

 先ほど 1 例目の患者さんの話だったが、2例目の方は HIV 治療を拒否された方でCD4が一桁の方。口内炎で食事ができないと医科から tel. 対応したのですが重度の壊死性潰瘍性歯周炎で、治療経験もなく、神奈川県のネットワークの立ち上げに尽力された先生に連絡、対応したことがある。ネットワークを通して自院で対応できない症例はネットワークに属している病院歯科や経験豊富な先生とつながることもできるので有意義です。

       つづく。

 

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