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2022年11月22日 (火)

人間と科学 第340回 永久不変の存在を求めて(1) ④

続き:

21世紀の単位の番人

 メートル条約によって確保された単位の不変性は、つまるところ「国際原器」の安定性に依存する。もしこの原器がすり減ったり、破損したりしたら、世界中の測る基準に影響する。そこでメートル条約ではこの国際原器の取り扱いについても定めている。国際的に監視する仕組みとして、科学委員会(国際度量衡委員会)が年に1回、原器を監視することにしたのである。

 私もその委員の一員、いわば単位の番人としてパリの研究所に赴き、原器を検分することが役目となっている(パンデミック下においても、欧州の委員と協力して継続した)。原器の検分は BBC のドキュメンタリー 「The Measure of All Things」で取り上げられ、その予告映像を見ることができる。

 なにしろ保管庫を開けるだけでも、3つの鍵(それぞれ違う国籍の担当者が持ち寄る)が必要、という厳重ぶりなのである。

 このように膨大な労力を経て維持されてきた「ものさし」の基準が、実は今日のハイテク社会を支えるにはどんなに不完全であったか、それに代わる不変な存在を探索する営みを紹介sたい。

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