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2022年11月11日 (金)

Clinical 薬剤性口腔乾燥とドライマウス診療 ⑥

続き:

5 ) ドライマウス患者の特徴と対応

 ドライマウス患者は高齢の女性が多く、特徴として話が長いことが多いが、話を遮らず根気よく傾聴することが診療をスムーズに進める上で大事。また、合併症により多数の薬剤を服用しているので、その確認を含め、予約はゆとりある時間設定をしておくことをおすすめする。

5. 症例提示

症例 1

患者:65歳、女性

主訴:口の渇き、味がしない

家族歴:特記事項なし

既往症:高血圧症、脂質異常症、気管支喘息、頻脈

現病歴:4か月前から口腔乾燥感を自覚、舌の違和感もあった。紹介歯科受診し、精査加療目的に日本歯科大学新潟病院口のかわき治療外来へ紹介され来院。

 

薬剤情報:次の9種類を服用中。( ) 内は商品名:モサプリドクエン酸塩水和物(ガスモチン錠)、カンデルサルタンシレキセチル・アムロジピンベシル酸塩配合剤(ユニシア配合錠)、アムロジピンベシル酸塩(ノルバスク OD  錠)、ラベプラゾールナトリウム(パリエット錠)、プラバスタチンナトリウム(メバロチン錠)、アテノロール(テノーミン錠)、フェブキソスタット(フェブリク錠)、トリアゾラム(ハルシオン錠)、ぺマフィブラート(パルモディア錠)

 

口腔外所見:特記事項なし

口腔内所見:口腔乾燥を認め、舌苔の軽度付着認め、唾液腺開口部からのわずかな唾液流出を認めた

自覚症状(VAS 値):口腔乾燥感:80mm、疼痛:0mm、味:80mm、違和感:20mm、

検査所見:サクソンテスト値:1.80g/2分、口腔内細菌(真菌)検査でカンジダ菌は陽性も少数であった。

臨床診断:口腔乾燥症(薬物性の疑い)、口内炎、口腔カンジダ症の疑い

処置および経過:ドライマウス初期治療として、唾液腺マッサージの指導、アズレンスルホン酸ナトリウムの含嗽にて治療開始、カンジダ菌は少数のみで疼痛がなかったので、抗真菌薬の投与は行わない方針とした。(VAS 値)は、唾液腺マッサージと含嗽治療では症状改善が軽度のため、含嗽財に白虎加人参湯エキス錠12錠/日分類3で投与を開始した。約2か月後の(VAS値)は、口腔乾燥感:40mm、疼痛:0mm、味:40mm、違和感:10mm、サクソンテスト値:4.16g/2分と口腔乾燥感の改善と唾液分泌量の増加がみられた。現在は含嗽剤中心に経過観察中である。

 高齢で多剤服用中が原因と思われる。症状改善が乏しいため、漢方薬を追加投与したところ唾液分泌量が増加している。研究者らは、ラットへの白虎加人参湯エキスの検証した結果、唾液腺に存在するM3型ムスカリン受容体の活性化を介してアクアポリン5の発現を促進し、結果的に唾液分泌促進を示すと報告している。以上の理由からこれは効果が得られたと考える。

 

 

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