« Clinical 薬剤性口腔乾燥とドライマウス診療 ② | トップページ | Clinical 薬剤性口腔乾燥とドライマウス診療 ④ »

2022年11月 7日 (月)

Clinical 薬剤性口腔乾燥とドライマウス診療 ③

続き:

3. 薬剤性口腔乾燥症の実態

 日本医薬品工業に掲載されている薬剤全体の約1/4で約600品目(一般名)に口渇、口内乾燥、唾液分泌減少の副作用があると報告されているが、それ以上とも考えられている。口腔乾燥症を引き起こす薬剤の種類は多いが、すべての作用機序が解明されているわけではない。薬剤における唾液分泌低下の代表的なメカニズムとして、唾液腺細胞に副交感神経刺激が加わるとアセチルコリンが細胞表面のムスカリン受容体を刺激し、細胞内のCa2+濃度が上昇することによって唾液分泌が促されるが、この受容体をブロックしたり、Ca2+濃度が上昇を妨げることによって唾液分泌を低下させる。添付文書に副作用として口渇や口内乾燥が掲載されている主な薬剤もある。

 高齢者から口腔乾燥の自覚度や服用薬の有無とその種類などの実態をアンケート調査した報告では、高齢者524名(男性179名:34.2%、女性345名:65.8%)のうち口腔乾燥で不自由を自覚していたのは全体で42.5%、そのうち常に自覚していたのは男性7.3%女性10.7%、時々自覚していたのは男性27.4%、女性37.4%であり、女性の約半数がドライマウスを自覚していて、高齢者の約80%が何らかの薬剤を長期服用していることが明らかなったと報告。そのうち最多の服用していたのは血圧降下剤で、次に消化器官用薬、抗不安剤・催眠鎮静剤、循環器官用剤であった。血圧降下剤の服用者が多い理由として、男女ともに50%以上が高血圧症患者でこと、カルシウム拮抗薬やアンジオテンシンⅡ受容体拮抗薬などによる口渇の副作用が関与と考えられ、消化器官用薬については他の薬剤との併用頻度が高く、抗コリン作用を有する薬剤もあることがかんがえられるのだ。さらに、抗不安剤・催眠鎮静剤は女性に服用者が多く、特に中枢神経系用薬の三環系・四環系抗うつ薬の抗コリン作用が影響していたとしている。

                       続く。

« Clinical 薬剤性口腔乾燥とドライマウス診療 ② | トップページ | Clinical 薬剤性口腔乾燥とドライマウス診療 ④ »

日記・コラム・つぶやき」カテゴリの記事