« 人間と科学 第340 回 永久不滅の存在を求めて(1) ① | トップページ | 人間と科学 第340回 永久不変の存在を求めて(1) ③ »

2022年11月19日 (土)

人間と科学 第340回 永久不変の存在を求めて(1) ②

続き:

メートル法の誕生

 人類最古の「ものさし」は自分の身体そのものであったろう。やがて社会生活の営み、コミュニティが広がるにつれて共通の「ものさし」が必要とされるに至るが、この時も多くは体の一部を長さの単位としたことが知られている。例えば古代エジプトでは上腕の長さがキュービットとされ、また欧州では文字通り足の長さ(フィート)を単位とした。そして単位を流通させる権威として、ファラオ(キュービット)や国王(フィート)の体躯を基準とした。そして実際の量は石や金属に写し取って基準とした(「原器」と呼ばれる)。測定を必要とするユーザーは「原器」を基準に複製を得、また定期的に比較(校正)することで精度を維持する。ただしこのように特定の人物を基準にしては、永続性や普遍性に問題がある。

 そこで近代的な単位としてフランスで生まれたのが、メートルとキログラムである。長さの単位であるメートル地球の円周を基準に、また質量の単位であるキログラムは一定体積(1リットル)の水に求めた。地球も水も国家や民族に属さず、その性質はは当時の認識では不変で、理想的な基準と思われた。ただしどちらも簡単に測れない、というより測るたびに値が異なる(これは人間のテクノロジーが稚拙だから)。

 妥協策として南北に距離をとれるダンケルクからバルセロナ間を三角測量した結果を金属棒に写し取り、また相当する水の質量に等しい金属製分銅を製作し、それぞれ 1 メートル、 1 キログラムの基準とした(1798 年)。これが今日に続くメートル法の来歴である。

« 人間と科学 第340 回 永久不滅の存在を求めて(1) ① | トップページ | 人間と科学 第340回 永久不変の存在を求めて(1) ③ »

日記・コラム・つぶやき」カテゴリの記事