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2022年12月11日 (日)

人間と科学 第341回 永久不変の存在を求めて(2) ④

続き:

光のものさし

 光は波としての性質を持っている。そして光の色は、波の山と山の間隔(波長)に対抗する。その間隔は目に見えないほど細かいが、「干渉」と呼ばれる現象(波の山と山が重なると強め合い、山と谷が重なると弱め合う)を使えば、目に見えう明暗に変換できる。

 例えばシャボン玉の表面に虹色の模様が表れるのは、シャボン玉の膜の厚さ(長さ)によって干渉する波長が変わり、色の強弱が生じるためである。逆に、既知の波長の光を用いれば、その干渉によって長さを決めることができる。いわば「光のものさし」で目盛りは波長に相当。

 そこで 20.c 以後、多くの研究者が特定の原子を光らせる技術やその性質の解明に取り組んだ。結果、クリプトンガスに放電したときに得られるオレンジ色の光(最近では見かけないが、電飾に使われるネオン管をイメージしてほしい)の波長が安定していることが分かり、1960年に長さの基準はクリプトン原子からの放射光の波長に置き換えられた。

 ガリレオが測定手段を脈拍から振り子に置き換えたように、人類は 19.c のテクノロジーで作られた金属のものさしを、20.c に原子が発する光の波長に置き換えたのである。(ただし、質量=キログラム原器についてはこの時点では置き換えられていない。このシリーズ後半に説明する。)

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