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2022年12月 5日 (月)

デジタル・デモクラシー――ビッグ・テックとの闘い ⑦

続き:

   もう一つの希望ありか

 集団行動と規制によって、監視資本主義は少しずつ包囲されている。私たちは決して、ビッグ・テックといたちごっこを続けているわけでも、ましてや砂漠に一滴の水を撒き続けているわけでもない。世界各地での集団行動や立法の取り組みは、巨大なシステムを民主化する大きな流れの中にある。

 その上で、集団行動と規制に加え、「自前の技術」という可能性にも触れておく必要があるだろう。

 ここでいう事前の技術とは、協働と共有、倫理、社会正義などの価値にもとづく、誰にでも開かれたオルタナティブな選択肢としての技術である。「シビルテック」「シビルハッカー」などの言葉で近年注目されてもいる。既にGoogle ではない検索エンジン「 DuckDuckGo」やZOOM以外のウェブ会議用システム「jitsi Meet」などがあるが、セキュリティが高く、オープンソースで無料という特徴を持つ。こうした技術お求める動きは、ビッグ・テックの収奪ぶりが露呈されるにつれ高まっている。

 プラットフォームビジネスにおけるAIやアプリを使った搾取的な労働が増加する中、「プラットフォーム協働主義」という考え方も登場し、ビッグ・テックに依存しない雇用・働き方が提案されている。自治体内の協同組合がタクシーやフードデリバリーサービスを立ち上げ、自前のアプリを使って地域経済と雇用を守る動きだ。ブラジルでは、市民社会組織と研究者・技術者が協力して、コロナ禍で食料の調達が困難となった地域のために配送アプリを開発。ブラジルの農業組合とタクシー組合を巻き込んで食料の販売・配送を行っている。

 ビッグ・テックのロビイ活動の主戦場であるブリュッセルでも興味深い実践がある。2020年12月、経済移行研究省は、地元のNGOと協力して「マイマーケット・ブリュッセル」という購入サイトを立ち上げ。Amazon と同様の仕組みだが、決定的に異なるのは地元の商店が出店して、配送も地元の自転車配送協同組合が行なう点である。独自のオンライン・ストアを構築する技術や資金がない小規模商店には、マイマーケットが公共のデジタル・インフラを提供する。Amazon でも Uber でもない、デジタルのインフラストラクチャの公的所有をめざす。さらに欧州を中心に「データ主権」という価値が確立されつつある。バルセロナ市では参加型市政の実践→データ収集技術と民主的管理が実践されている。

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