Science 認知症と口腔機能 ②
続き:
1. 認証の社会経済的影響
わが国の認知症患者の急増は、社会経済的にも大きな影響を及ぼしている。病気にかかるコストには、一般的には医療費と介護費そして家族、親族や友人、地域住民、NPO法人、ボランティアなどによる非公式な支援であるインフォーマルケア費用に大別されるが、認知症患者の場合では介護費が医療費ぼ3~4倍以上にかかることや、インフォーマルけあ費用も介護費用と同等の費用が必要となることが、癌や糖尿病などのこれまでの国民病とは大きく異なるところである。治療期間も長期にわたることから将来的には総額20兆円を超えることが試算されている。
日本の財政は、一貫して伸び続ける歳出(社会保障費を含む)と伸び悩む税収により、「ワニの口」と揶揄われるように大きく乖離しており、その差額が将来の借金として国際で穴埋めされている。
今後、少子化により生産労働人口は徐々に減少し、人口の最も多い団塊世代(73~75歳)とこれに続く団塊ジュニア世代(47~51歳)が高齢者として待ち受けていることからも、何かしらの効果的な方策を立てないと、ワニの口は閉じるどころか大きく開きっぱなしの状態が長く続くことが容易に考えられる。人生100年時代w考えた時、認知症はこの先50年間取り組まねばならない大変深刻な疾患であり、多職種からも歯科医療の協力が今求められている。
« Science 認知症と口腔機能 ① | トップページ | Science 認知症と口腔機能 ③ »
「日記・コラム・つぶやき」カテゴリの記事
- ポストコロナ医療体制充実宣言 ①(2024.01.04)
- Report 2023 感染症根絶 ④(2023.11.30)
- Report 2023 感染症根絶 ③(2023.11.28)
- Report 2023 感染症根絶 ②(2023.11.24)
- Report 2023 感染症根絶 ①(2023.11.15)