Science 歯周病と認知症 ②
続き:
1. 認知症
認知症は、一度獲得された正常な認知機能が脳の萎縮や脳血管障害などによって著しく低下し、もの忘れをはじめとするいくつかの症状によって、常生活に障害をきたす状態と定義され、世界で最も罹患者数の多い神経疾患として知られている。日本における認知症高齢者数は高齢化とともに増加しており、2012年は462万人と、65歳以上の高齢者の7人に1人(有病率 15.0%)であったが、2025年には約700万人、同様に65歳以上の5人に1人になると見込まれ、認知症の予防や早期発見が重要な課題となっている。
認知症や認知症様症状をきたす疾患は多く、アルツハイマー病、前頭側頭葉変性症、レビー小体病などがあげられる。認知症の病型では、アルツハイマー型認知症が最も多く。全体の67.6%を占めていたとの報告もある。認知症では、疾患ごとの機能低下部位を反映し、複数の認知機能に障害が認められる。 認知症で障害される認知機能として、もの忘れ、時間・場所が分らなくなるなど、注意、遂行機能、記憶、言語、視空間認知などがあげられる。
また、認知機能障害を基盤に、身体的要因、環境的要因、心理的要因などの影響を受け、行動・心理症状(BPSD) が出現する。 BPSDには、焦燥性興奮、攻撃性、脱抑制などの行動面の症状と、不安、うつ、幻覚・妄想をはじめとする心理症状がある。認知症の症状は多彩で、どのような症状が起きるかは認知症の原因や本人の性格、周囲の環境などにより変化する。
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