人間と科学 第342回 永久不変の存在を求めて(3) ③
続き:
宇宙の制限速度
光の速さが有限であることが判っても、光は1秒間におよそ3億メートル(30万㎞、地球を約7週半分)進むので、その正確な測定は長く困難だった。
一方、20c.に入り、一人の天才が驚くべき知見をもたらす。その天才とはアインシュタイン。その知見とは、特殊相対性理論である。その理論によれば、困難になる物体は光速に近づくほどその質量が増加し、加速するのが困難になるので決して光速を超えることができないという。つまり光速とは宇宙の制限速度なのだ。
原子を構成する電子は、猛烈な速度で原子核の周りを回っているが、その電子もこの特殊相対性理論の影響を受け、電子の見た目の質量が変化し電子の軌道に影響する。物質が個別の性質を有するのも電子が光速の影響を受けつつ一定の軌道を維持する結果である。
逆に原子が一定の性質を保つのは、光速が不変だからとも言える。
理論によって予想された宇宙の制限速度、光速は、やがて20c.後半に正確に求められるようになる。
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