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2023年3月15日 (水)

デジタル人民元その狙いとは? ①

高口康太(ジャーナリスト) 中国研究家)さんの「世界 2」に載せている。 コピー・ペー:

 「中国、デジタル人民元でドル覇権の打破を狙う」

  こうしたニュースは大量に報じられている一方で、なぜデジタル人民元を使えばドル覇権をひっくり返すことができるのか。納得のいく説明はほとんどない。デジタル人民元脅威論の元をたどると、その根源は米国にたどりつく。

 2019年、ビットコインをはじめとする暗号通貨の注目が高まるなか、米メタ(当時の社名はフェイスブック)が暗号通貨「リブラ」構想発表を発表した。国境を越えて自由に決済、送金でき、しかもスマホから簡単に使える電子マネーを目指すものだ。マスターカード、ビザ、ペイパル、ストライプなどの決済企業、ウーバーやイーベイ、スポティファイなどのテック企業、アンドリーセン・ホロウィッツなどのベンチャーキャピタルなど数十社が参加する大規模な構想だった。

 この「リブラ」認可を巡る議会で折衝において、メタ社の創業者であるマーク・ザッカーバーグCEOは「米国がこの分野で主導権を握らなければ、他国が握ることになるであろう」と発言した。名指しこそしなかったものの、その「他国」とは中国であることは明白で、中国に負けないためにには異例でも認可してほしいという訴えだったが、米金融当局は認めなかった・「ディエム」と改称するなど紆余曲折を経たが、最後まで認可が得られずに計画は頓挫している。「リブラ」は消えたが、「デジタル人民元でドル覇権を打破」という見立ては生き残り、繰り返し語られ続けている。

 デジタル人民元については、「中国人民については、「中国人民が何にお金をお金を使ったのか、すべての決済データを中国共産党が把握する国民統制の狙い」という見立てが語られることもある。なるほど、中国はデジタル監視社会の構築に邁進していることは事実で、その文脈からはありそうな話だ。ただ、注意すべきは中国ではアリペイ、ウィーチャットペイというというモバイル決済アプリがすでに普及している点にある。

 利用者はすでに9億人を超え、大都市ではCBDCの取り組みは世界的な趨勢になっている。国際決済銀行(BIS)が 2022 年 5月に発表したリポートによると、調査対象の世界の中央銀行 81銀行のうち、約90 %が検討中。実際に試験運用を行っているとの回答も 26%に達した。

 なぜ中国がデジタル人民元に取り組むか。そこには中国固有の事情もあるあ(既存の国際秩序への陽線という「野心」が含まれているのを否定しない)。それ以上にまず目を向けるべきは、なぜCBDC は世界で必要だと見なされるようになったのかであろう。ここで、デジタル人民元のシステムについて。その上、導入によりどのような課題を解決しようとしているのか、その先にどのような未来を描いているのかを展望したい。それは中国の狙いを理解するだけではなく、日本の課題を考える一助にもなるはずだ。

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