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2023年3月29日 (水)

人間と科学 第345 回 永久不変の存在を求めて(6) ④

続き:

■永久不変の存在を求めて

 科学とは「仮設と検証」の繰り返しである。検証の基準となるべく 19c. のテクノロジーで作られた「メートル原器」や「キログラム原器」は、測定精度の高まりにつれてその限界g認識。このシリーズで登場した物理定数はいづれも、理論と実験技術の進歩によって一定不変だ、という確信に至り、そのいくつかはかったの原器に代わって測定の基準や物理法則の検証手段となってきた。

 しかし、宇宙の進化の下、広大な宇宙空間で「今後も」「どこでも」物理定数が一定なのか、すなわち「普通」なのか、ダークエネルギーやダークマターといった未知の存在を律する物理定数が存在するのか、今現在もその検証と探索が続いている。

 宇宙にはほかに、物理定数の異なる世界があるのではないか、と考える科学者も存在する。生命が生まれおどに進化した、私たちの存在する「この宇宙」のほかにも、進化に失敗した、宇宙が無数にあるのではないか、というおである。哲学的な問いにも思えるが、物理定数の探索によってその答えが得られるかもしれない。

 

 この世のあらゆる物質、それが無機質や有機質にかかわらず、そしてあらゆる現象、それが物理現象や化学現象から生命の退社のような複雑な現象に至るまで、物理定数によって律せられているのである。私たちが今こうして存在するのは、138 億年前に始まった宇宙が、不変の物理定数のもとで進化してきた結果だ。

 このシリーズを通して、宇宙の成り立ちや生く末に、しばし想いを駆せていただけたなら、望外の喜びである。

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