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2023年4月27日 (木)

Clinical 手際の良い残根歯の抜歯法 ⑤

続き:

(3) ヘーベルの動かし方

  ヘーベルは先端部を歯根膜腔に挿入して、楔作用、回転作用、梃子作用で歯に力を伝えて歯槽骨をたわませ、徐々に歯根と歯槽骨の間隙を広げて動揺させて、抜歯する器具である。楔作用に期待してヘーベルを根尖側に押し込むだけでは容易に抜歯できない。ヘーベルの先端を歯根膜腔に確実に挿入し、まず回転運動を加えて歯根膜腔、歯槽骨を拡大し、スペースが拡大したらヘーベルを深部に進め、そこでまた回転させて歯槽骨を広げる、という操作繰り返して、徐々に歯根の動きを大きくして抜歯。

 (4) ヘーベルを作用させる位置

   ヘーベルは上下額とも近心隅角部または遠心隅角部の歯根膜腔に挿入する。前歯、小臼歯でゃ唇側の遠心的中央部には挿入しない。この部分は歯槽骨が薄くて破折しやすく、歯根に十分な力が加えられないから。また上顎では必要があれば口蓋側に使用してもよいが、下顎の場合には舌側には使用してはならない。ヘーベルの方向が歯根の軸と一致しにくく、また滑脱を起こして口底粘膜を損傷する危険性が高いため。

3) 鉗子、ヘーベル以外の器具

 根尖部が残存した時のためにルートチップピック、歯根分割や骨削除のためにバーが必要になることがある。前記お抜歯器具ない加え、粘膜骨膜弁の挙上に必要な器材(メス、剝離子、持針器、縫合針、縫合糸)が必要になることもある。

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